トリプルグッド税理士法人代表理事。監査法人トーマツ、デロイト・トウシュ・トーマツ税務事務所(現税理士法人トーマツ)等を経て、1997年10月に開業。 Great Place To Work(R) Institute社が主催する「働きがいのある会社のランキング」では5年連続ベストカンパニーに選出。「第1回会計事務所甲子園」の優勝など、数々の受賞歴を持つ。一般社団法人BusinessIT推進協会の理事として、会計事務所業界へのICTの普及啓蒙にも力を入れている。

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2012年頃に登場し、わずか5年で全法人の約4分の1、100万社以上の企業が導入している「クラウド会計」。GmailやDropboxがあたりまえのようにビジネスの現場に普及しているように、今後、会計・請求・給与・経費精算などのバックオフィス系だけでなく、 顧客管理や在庫管理などあらゆる経営リソースがクラウド化していくことは間違いないと見られている。経営者や経理担当者にとって、クラウド化は、その是非自体を問う時期は終わり、「どう活用できるか?」を考える段階に入ったと言えそうだ。

一般的に、クラウド会計のメリットは、「業務効率が4倍になる」「資金繰りをタイムリーに共有することで経営分析や資金調達に役立つ」「社会保険料率や税制改正に自動対応するため業務効率が上がる」「自社が儲かっているか、キャッシュに問題がないか、取引先からの振り込みは完了したかなどの不安が一掃されて、“数字に強い社長”になれる」といったものが挙げられる。

とはいえ、まだ「どれだけのメリットがあるのか、よくわからない」というケースも多いのではないか。そこで本連載では、実際にクラウド会計を活用して生産性を上げている企業の事例を、税理士と公認会計士がインタビュアーとなって紹介していく。新しい「会計インフラ」の意義を知り、自在に操るための知見を身につけることができるはずだ。
(構成:加藤年男 写真:竹内洋平)

「300万円」が「0円」に
クラウド会計のコスト削減効果

 第1回は中小企業の100年経営をサポートし、顧問先約1600社すべてにクラウド会計を導入するトリプルグッド税理士法人を率いる近江商人・実島誠氏に、税理士が勧めるコストカット経営術を聞いた。

土井貴達[公認会計士・税理士] トリプルグッド税理士法人が、クラウド会計を導入したことで、顧問先企業にどのような変化が起こったのか、具体的に教えていただけますか?

実島誠[トリプルグッド税理士法人代表理事] まず経理の人件費が減りますし、入力をアウトソーシングしていた企業は、その費用がほとんどかからなくなるというコストカットの面がわかりやすい変化です。入力量がものすごく多くて、他の会計事務所に年間300万円くらい入力手数料を支払っていた会社が、うちの事務所に切り替えてクラウド会計を導入したら、その手数料がゼロになったという例もあります。

米津良治[税理士] ものすごいコストダウン効果ですね。ちなみに、それはどんな業種の顧問先ですか?

実島 年商が約20億円、従業員が100名弱の建設業の会社です。

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