スマホもPCも不要?クレカサイズの「Compute Card」が家電を含むすべてのモノをPCに変える

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1月5日〜7日に米国ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市CESでは、さまざまな新型PCも発表されている。

中でも目を引いたのはインテルのカード型コンピューター「Compute Card」だ。
どんな特徴を持ち、どうやって使うのだろう?

●クレジットカードサイズで5mmの薄さのカード型
2015年のCESで、インテルは、
スティック型PCに参入し、「Compute Stick」を発表したことが話題となった。
USBメモリーよりひと回り大きいくらいのサイズの筐体にCPU、メモリー、ストレージが詰め込まれ、HDMIでモニターやテレビに接続して表示できる。

2016年のCESでは、Core Mプロセッサーを搭載可能なモデルも発表している。

そして2017年の今年、インテルは「Compute Card」を発表した。
大きさは、55×95mmとほぼクレジットカードのサイズ。厚さは約5mmという極薄さだ。この中にCPU、GPU、メモリー、ストレージに加えて、Wi-Fi、Bluetoothまで搭載している。

あまりに薄いため、USB-Cポートの搭載も不可能なため、派生規格の「USB-C plus extension」という独自コネクタが採用されているほどだ。

CPUには、第7世代「Kaby Lake」シリーズのプロセッサーが搭載可能など、ハイスペックのモデルを実現することも可能な点が注目ポイントだ。
もし一般発売されれば、まさに「お財布に入るPC」が実現されそうだ。
しかし現在のところ、用途は個人向けではなく、法人・業務利用が想定されているとのこと。少々残念だ。

このCompute Card、これだけ薄くて小型だと、どのように使われるのだろうか?

例えば、
産業機械にCompute Card専用スロットを搭載し、外部との接続機能を持たせることも考えられる。
Wi-Fi、Bluetoothなど通信機能を備えているので、ネットワーク接続と環境の構築が簡単にできる。
今後期待されているIoT分野でも、さまざまな機器がIoT化することが簡単になるだろう。

また、搭載CPUなどスペックの異なるCompute Cardを用意しておいて、用途に応じてCompute Cardを差し替えて使うといった、1台のPCでマルチ環境を利用するといった使い方も考えられる。

出荷開始は2017年中ごろとのこと。
パートナー企業にはHP、DELL、Lenovo、シャープなどが揃っており、どのような関連製品や採用製品が出るのか注目だ。

家電やノートPCでCompute Cardが対応となれば、
まさに、どこでもPC、どこでもネットワークな世界が実現するかもしれない。

Compute Cardだけを持ち歩き、好きな場所、すきな時に、どんなガジェットも使えたら、世界はもっと楽しく、近くなるだろう。