大相撲初場所、松鳳山が初日に照ノ富士に完勝し、2日目には鶴竜に軍配差し違えで敗れたが、日馬富士を撃破して国技館を大いに沸かしている。4日目にして2横綱を破った御嶽海も面白い。反りに反って土俵を割らなかった「宇良劇場」も初場所を盛り上げている。

 果たして、今年最初の初笑いを浮かべるのは、どの力士か。彼らにとっては、まさに盆も正月もないといった感じだが、年末年始のすごし方は実にバラエティー豊かだった。
 たとえば西前頭6枚目の琴勇輝(25)は、元旦に元保育士の姉さん女房と婚姻届けを提出。新妻の父親が師匠・佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)を現役時代から応援していたのが縁で知り合ったという。それで一目惚れし猛アタックしたという琴勇輝は、「支えてくれる人がいると気合いが入る」と、いつも以上に年明けの稽古に熱を入れていた。

 横綱白鵬(31)は、ここ数年、恒例になっている海外でノンビリと年末年始をすごした。今回の行き先はグアム。2日に帰国し、翌3日から稽古場へ。
 「順調ですよ」と、巷間言われている“引退”の不安を払拭している。
 去年は右足のケガなどで秋場所を全休していたが、余裕の笑みを浮かべ、「今年は、年6場所、土俵に上がれる体を作り、謙虚に(横綱の)責任を果たしていきたい」と、歴代最多勝利記録「1047」の更新に力を込めた。昨年の九州場所で通算1008勝とし、歴代1位の魁皇まで残り39勝で、早ければ夏場所での達成が可能だ。

 対照的に、ストイックなすごし方をしたのは大関稀勢の里(30)。部屋は30日から元旦まで稽古休みだったが、稀勢の里はこの3日間も体を動かし続けていた。ひと足早い稽古始めとなった2日には弟弟子の小結高安相手に12戦全勝。
 「動きは悪くない」
 と余裕の表情だった。

 ところが、4日に行われた二所ノ関一門の連合稽古では、先場所、わずか5勝しかできなかったかど番の大関琴奨菊(32)に6連敗を含む3勝7敗と惨敗。いつも連合稽古で琴奨菊に圧勝して調子を上げ、場所に臨んでいた稀勢の里。この真逆の結果にはさすがに渋い顔で、無言のまま部屋に引き上げてしまった。
 「一門の総帥、二所ノ関親方(元大関若島津)には『足に違和感がある』と漏らしたそうですが、ハイレベルな優勝をすれば、八角理事長が待ち望む“和製横綱誕生”の声が掛かるかもしれないだけに、ちょっと心配です。翌日、『足は大丈夫』と話していましたが、初日前日まで四股やすり足などのみで、ついに稽古はやりませんでした。このままでは、白鵬らのように、『正月休みはノンビリすればよかった』と言われかねません」(担当記者)

 横綱に一番近いと言われる稀勢の里、そろそろ和製横綱誕生を見たいものだが、どこまで勝つのか白鵬の最多勝利記録更新にも注目したい。