本当におんなの城主がいたのかいなかったのか、それはどうでもいい。フィクションとしてのドラマが面白ければいいのである。で、第1回がどうだったかと言えば、まあまあ面白かった。後の直虎になる子役のおとわ(鈴木美羽)が達者で見せたし、物語自体に小国ゆえの影があって、いきなり戦国の世の中に引き込まれたのだ。
井伊家といえば、幕末の「桜田ご門外の暗殺」で名高い井伊直弼をすぐ思い浮かべる筆者のようなへそ曲がりからすれば、それから何百年も前の井伊家の話といっても眉にツバをつけたくなるだけだが、今回の直虎はチビの時から男2人(分家の嫡男・亀之丞と筆頭家老の子供時代・鶴丸)を振り回す男勝りで、なかんずく、子供の身で出家してしまう行動派の娘。動きがあって楽しめたのだ。
笑ったのは桶狭間の合戦で、油断から信長軍に打ち取られるナヨナヨ男の今川義元を、大喜利で売り出した春風亭昇太が大真面目に演じていること。義元はホモだったとか女装趣味だったとか、お公家さんみたいな殿様だったので、昇太のあの喋り方が向いているかもしれない。主役を張る柴咲コウがまだ登場しないので何とも言えないが、1つ不満なのは、セットの作り方が歴代の大河ドラマとそっくりで、その点は興ざめである。もっとロケ場面を多くすれば。ちょっとフランスかぶれの音楽(菅野よう子)がなかなかいい。劇伴の演奏が五島みどりやランランとは、豪華に札びら切ったナ。(放送2017年1月8日20時〜)

(黄蘭)