北朝鮮の金正恩党委員長の妹・金与正氏(朝鮮中央テレビ)

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米財務省は11日、北朝鮮の人権侵害への関与が疑われるとして、同国の金正恩党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部副部長を含む7人と2団体を新たに制裁対象に指定したと発表した。

米国は昨年7月、人権侵害に関与しているとして正恩氏ら15人と8団体を制裁指定したおり、今回はそれに続く措置。制裁対象は計22人、10団体となった。

与正氏のほかに個人として新たに指定されたのは、金元弘(キム・ウォンホン)国家安全保衛部長や崔輝(チェ・フィ)宣伝扇動部第1副部長、ミン・ビョンチョル党組織指導部副部長、趙甬元(チョ・ヨンウォン)組織指導部副部長ら。団体は国家計画委員会と労働省の2つ。

制裁指定された個人は米国への入国禁止と、米国にある資金の凍結、取引停止などの措置が取られる。米朝間のヒト・モノ・カネの行き来は現状においてもきわめて限定的であり、制裁指定は象徴的な意味合いにとどまるが、正恩氏の血縁で補佐役でもある与正氏が対象に含まれたことで、北朝鮮の指導部に対する心理的な重圧として作用する可能性がある。

今回の制裁対象の個人は実務者が中心となる予定だったが、米政府の最上層部が最終的な決断として、与正氏を対象に含めたとされる。

財務省は発表の声明で、「北朝鮮の人権じゅうりんは世界でも最悪で、北朝鮮政権は司法外の処刑や拉致、任意逮捕と拘禁、強制労働、拷問などの違法行為をほしいままにしている」と指摘。これらの行為は、子供など家族を含む8万〜12万人が収監されているとみられる政治犯の収容所で行われているとしている。