「食べ過ぎると痛風になる」と言われる食品も、実は…

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【ガッテン】(NHK)2017年1月4日放送
「プリン体じゃなかった!尿酸値を下げる秘策SP」

健康診断を受けると、結果の表に示される項目のひとつに尿酸値がある。この値が基準値を超えると、「痛風」の恐れが高まる。文字通り、風が吹いただけでも激しい痛みが走る厄介な病気だ。

痛風を避けるために、よく「コレを食べすぎると尿酸値が上がる」と言われるが、番組は、食べ物が尿酸値にもたらす影響が意外に低い事実を明らかにした。

特に何もしていないのに尿酸がつくられる

痛風に悩まされる患者は、足が真っ赤にはれあがって痛々しい。

MCの立川志の輔「体験者によると、ゾウに踏まれたような感じがすると」
ゲストの大島麻衣「想像ができない痛さですね」

尿酸の基準値は、2.1〜7.0mg/dlと幅がある。人間はトラやブタ、マンドリルといった動物と比べて尿酸値が断然高い。実は尿酸は抗酸化力が非常に高く、体の中の炎症を抑える役割がある。抗酸化力を手に入れたのは、人間が進化するうえで大いに意義があったと考えられている。

だが、過剰になると尿酸が血液の中で結晶化して関節の中で固まり、骨にこびりついていく。そのかけらがポロリと落ちると免疫細胞が「攻撃」して炎症が発生し赤くはれ上がる。これが痛風で、男性に多い。

怖いのは、痛風だけではない。高尿酸だと、心臓病で死亡するリスクが約1.8倍になるという。また高尿酸血症の年齢は30代が最も多い。痛風は高齢者の病気と思われがちだが、統計上はそうとは言えないのだ。

俗に「食べ過ぎると痛風になる」と言われる食品が、スタジオで紹介された。ビールをはじめ、シラコやアンキモ、ウニ、イワシやカツオ、イカにエビと10品目が並ぶ。共通点は「プリン体」が多い点だ。ところが、高尿酸の原因は食べ物から2割の影響しか受けないとの「驚きの事実」が明かされた。残り8割は「細胞」が原因だという。どういうことか。

プリン体は細胞のDNAの一部で、細胞のひとつひとつに含まれている。例えば肉を食べると、肉の各細胞に含まれるプリン体が体内に入り、肝臓で尿酸に変わる。一定量の尿酸が体に必要だからだ。ただし、食べ物から摂取される割合は全体の2割にすぎない。

一方、私たちの体も細胞でできている。そのため、細胞がどんどん生まれ変わる新陳代謝のたびにプリン体が放出される。つまり、特に何もしていなくてもプリン体がつくられ、尿酸に変換されるというわけだ。

スリムなのになぜ高尿酸値?

では、尿酸値が高くなる理由は何か。番組では20代の男性Aさんを取り上げた。もともと高尿酸の診断が出ていたAさん、徹底検査をしたところ、腎臓での尿酸の排せつに問題があると分かった。原因のひとつと考えられるのが、肥満だ。スタジオに登場した痛風専門医・大山博司医師によると、肥満だと血糖値を調節するインスリンの効き方が悪くなるため、すい臓が多量にインスリンを分泌する。こうして体内にたまったインスリンが、尿酸の排せつの邪魔をするとみられる。

ところが、Aさんはスリムな体型で、適度に運動もしている。

大山医師「おそらくは体質、遺伝子の変異がかかわっていると思われます」

実は成人男性の半数が、尿酸の排せつにかかわる「ABCG2」という遺伝子の変異を持っている。変異が強いと、痛風の発症が22倍にも高まるという。

そこで番組では、尿酸の排せつをアップさせる食品を実験した。大阪市立大学医学部代謝内分泌病態内科学の蔵城雅文医師は、「どこの家の冷蔵庫にでもあるものなんです」と話す。

答えは、牛乳だ。この中に含まれる「カゼイン」という物質が胃腸で分解されて「アラニン」にかわる。これが腎臓から尿酸が排せつされるのを助けると考えられる。4万7150人対象に12年間調査した研究論文では、低脂肪乳または無脂肪牛乳を1日コップ1杯飲むと痛風を発症する割合が43%減となったという。

Aさんは早速、牛乳を1週間飲み続けた。すると、尿酸値は基準値を上回る8.2mg/dlから、基準値範囲内の6.6mg/dlに減少した。Aさんは「低脂肪のヨーグルトも食べていました」と話し、今後続ければ尿酸値が安定する可能性もある。