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「テューダー様式」「コロニアル様式」など、住居の様式について「何となく聞いたことがあるけれど、詳しい違いは実はよくわからない」という人も多いはず。ということでで、アメリカの一軒家の建築様式の歴史的変遷と、それぞれの建築様式がどのように違うのかが、イラストでわかりやすく解説されています。

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チューダー様式は、1485年から1603年までのイギリス・テューダー朝に由来します。最も大きな特徴としては、木枠の部分を外に出してその間をしっくいなどで埋める木骨造りであることで、非常に装飾的です。1階部分の外壁にはレンガが手の込んだパターンで重ねられ、2階部分の外壁は化粧しっくいと木が組み合わされています。また、外壁は羽目板もしくはサイングルとなっており、屋根は傾斜がある交差切妻屋根です。開き窓で、3つ以上の窓が一群として取り付けられます。



ケープコッド様式はアメリカの北東部で1600年代に生まれ、一度は廃れてしまったものの1930年代に復活した様式。もともとの外壁は小さな板を重ねて作るサイングルですが、復活後には意志や化粧しっくい、レンガなども使われるようになりました。屋根は張り出しが浅く、傾斜は強め。正面玄関の扉の左右に2つずつ窓があり、それぞれの窓には複数のガラスが張られています。また、屋根の上にも左右対称になる形で2つの窓が設置されています。



1700年〜1830年代までのイギリスで生まれたのジョージ王朝時代の様式。左右対称の作りで、玄関にはペディメントがありました。外壁は合わせ板などで作られており、隅石で装飾されることも。屋根は寄棟屋根で、外壁だけでなく屋根にも窓が取り付けられています。窓は碁盤目上になっている上げ下げ窓です。



1825年から1860年にかけては古代ギリシャにインスピレーションを受けた様式がアメリカで流行しました。外壁は古代ギリシャの神殿をイメージして白く塗られ、素材は化粧しっくいや木材が使われました。屋根は寄棟屋根で、傾斜が緩いのが特徴。また、切妻やペディメント、コーニスもあります。窓は長い上げ下げ窓で、ギリシャ建築のような付け柱も特徴です。



アメリカ東部で生まれた、アメリカの住居様式の中でもポピュラーなコロニアル様式はこんな感じ。外壁はレンガや木材で、傾斜は緩くもきつくもない中間ぐらい。玄関の扉を中心として左右対称に窓が配置され、扉の真上にも窓が設置されるため、2階には5つの窓があります。



1840年から1880年にはゴシック様式が復活しました。もともとはイギリスやフランスで生まれた様式のアレンジで、中流家庭の場合は木材、裕福な家庭はレンガなどで外壁が作られたとのこと。屋根は非常に傾斜が急で、破風板まで装飾されています。窓の上の方がアーチになっているのが、これまでの建築様式とは違う点です。



イタリア風の住居は、もともとイギリスで好まれていた様式。ほとんど傾斜がない寄棟屋根で、中流家庭の場合は外壁が木材、裕福な家庭の場合は外壁がレンガなどで作られました。窓は木枠にはめられた張り出し窓で、2重の上げ下げ窓でもあります。また、ポーチにはコリント式の柱が取り付けられています。



スティック・イーストレイク様式は1860年代から1890年代によく見られた家の形で、外壁として小さな板が水平・垂直・対角線で張られているのが特徴。屋根の傾斜は急で、半切妻屋根になっており、切り落とされた両妻頂部には窓が取り付けられています。レンガでできた煙突があり、1階部分の屋根の張り出し部分が大きく、2階部分のポーチになっています。



フランス第二帝政様式はこんな感じ。外壁は小さな板を重ねたものですが、塔のような見た目で、コーニスには錬鉄が使われています。窓は細長く、屋根から突き出すような形でアーチ型の窓が設置されています。バルコニーや、玄関の横のポーチも特徴。



これもお城っぽいクイーン・アン様式。もともとはイギリスやフランスで見られたスタイルをアレンジしたものです。2階部分にタレットがあり、棟飾りも取り付けられた装飾的な様式で、展望台のようなものもついています。



サイングル様式は、ニュー・イングランドを起源とします。外壁は木材そのものの色か、単色に塗られたサイングルで、装飾が少ない作りです。ただし、屋根の形は複雑で、左右非対称の切り妻となっています。窓が大きく、アーチ型天井です。



ニューヨークやニュージャージーを起源とするのが、オランダコロニアル様式。ギャンブレル屋根で、屋根の上には8×8の碁盤目上になった窓があります。入り口の左右には付け柱とポーチがあり、屋根には煙突も付けられています。



古代ギリシャ・古代ローマ・ルネッサンスなどにインスピレーションを受けたというのが、ネオクラシカル様式。外壁の素材にはレンガ・化粧しっくい・木材など伝統的なもののほか、「ビニール」が使われることもあります。玄関までが柱で導かれるポルチコになっており、左右対称のデザイン。碁盤目上になった窓はどこか一部のガラスが大きいということがなく、等間隔となっています。



1905年から1930年にかけて建てられ、2017年現在復活してきているのクラフツマン様式。もともとカリフォルニア南部で生まれたものです。傾斜が緩やかで、梁が装飾的であるのがクラフツマン様式の屋根の特徴で、ひさしは広めです。内部の多くの部分が木工で、たるきが露出しています。ポーチにある柱は先細りの形になっているのが特徴。古典様式にインスピレーションを受けた様式とはちがって左右対称性は見られません。ステンドグラスが使われ、2階部分の窓は碁盤目上になっていますが、1階部分の窓は1枚のガラスです。



1920年代から1930年代に建てられたのが、コテージ様式。レンガや化粧しっくいのほか、自然素材で外壁が作られました。切り妻屋根は傾斜が急で、面積も広めです。開き窓は窓枠が碁盤目状で、窓辺には植木箱が置かれ、シャッターが付けられていました。



フレンチコロニアル様式はフランスの建築に影響を受けてアメリカでアレンジされつつ建てられたもの。建物全体はバランスの取れた左右対称のデザインで、戸口はアーチ状、傾斜の急な寄棟屋根になっています。1階の窓は床面まである両開きのフランス窓で、2階の窓も縦に長い窓となっています。



地中海様式は、カリフォルニアやフロリダで1920年代から1930年代に立てられた様式。砂や砂質粘土とわらなどで構成されたアドベというレンガが使用され、傾斜の少ない瓦屋根です。中庭や噴水を中心として建物をU字型に配置するというスタイルが採られました。



ミッド・センチュリーモダン様式は平らな屋根と、大きなひさしが特徴。窓は特大だったり変形されていたりとさまざまで、庭にはひさしによってできたオープンスペースがあります。



トラディショナルランチ(伝統的な農場)は建物がボックス型もしくはL字かU字型になっており、切妻屋根もしくは寄棟屋根で、ひさしは幅広。間取りはシンプルでガレージがあり装飾は最低限です。



そして2017年現在のスタイルは、装飾が少なく、レンガや木材といった自然素材が多く用いられています。屋根は切妻屋根。時には床から天井まで届くような巨大な窓が使われており、これといって決まった形はありません。自然光を取り入れる作りで、広々とした間取りと、エコフレンドリーや機能を備えています。