日本では、メディアや議会などで、「食の安全」が長期にわたって注目の話題となり、社会の注目度も高い。これは、日本社会の意識や社会構造と密接な関係がある。

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日本では、メディアや議会などで、「食の安全」が長期にわたって注目の話題となり、社会の注目度も高い。これは、日本社会の意識や社会構造と密接な関係がある。新華網が伝えた。

■「不安」がリスク管理促進

第二次世界大戦後、日本で制定された食の安全関連の法律、法令、規制は300を超えている。日本は食料を完全に自給することも可能だが、大半数の人は依然として食料の安全に対しては「不安」を感じている。例えば、日本政府が2010年9月に公表した「食料の供給に関する特別世論調査」の結果によると、将来の食料輸入に対して、回答者の85.9%が「不安がある」と答えた。日本では今、「食の安全」が切実な課題になっているとは言いがたいが、それは、日本人が生まれ持つ「不安感」と大きな関係があるのかもしれない。全てのリスク管理は、発生する可能性のある問題を想定して行われる。

■農業保護が必要というムード創出

日本は他の先進国よりも農業の保護にはるかに大きな力を入れている。第二次世界大戦後、日本は米国のサポートの下、世界産業の分業体系に加わり、経済が段階的に自由化された。しかし、農業の分野だけはいまだに保護政策が実施されている。労働者の職業選択に制限がない点を除くと、農地の売買や転用、農産品の売買などは、長い間政府によって規制されている。土地や人件費が高いこともあり、日本の農産品の値段は国際市場価格よりもはるかに高い。そのため、日本政府は農産品に対する保護貿易政策を実施し、輸入する農産品の関税を高くするなどの対策によって、海外の農産品があまり入ってこないようにしている。また、国会の会議において、もともと対立の立場にある各政党が、農業の保護に関する法案、政策となると、満場一致で決議される。その他、日本のメディアは、海外の食の安全に関する問題を頻繁に取り上げ、海外の食品は安全ではなく、国産の食品が安全というイメージを作り上げている。食料の自給率低下や海外の食の安全の問題などが、政府が農業を保護するための都合の良い理由になっている。

■農民の票がほしい各政党も背景

政治的背景も日本で食の安全性に対する注目が高まる原因となっている。日本の各政党の競争においては、農民の票が都市部の人々の票よりも大きな価値を帯びている。

都市の商工業者と異なり、農民の仕事は単純で利害が一致しているため、結束しやすい。また、日本全国の農民は全て農業協同組合(農協)に所属しており、その会員には落ち着いた人が多く、投票率が高い。農民は保守主義な政治の基礎となっており、長年政権を握っている自民党は、創設時から農協の大きな支持を得ている。自民党だけでなく、他の政党も農民の支持を頼りにしている。彼らの票を獲得するため、各政党は農民の機嫌を取ることのできる農業保護政策を打ち出す。保護政策が社会的な支持を得るための都合の良い口実となっているのが「食の安全」だ。21世紀に入り、食の安全性を中心にし、農民の利益を趣旨とした農業保護が、日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの国際自由貿易体系に参入するにあたって最大の足かせとなっている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)