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ひらまつが手掛ける究極のホテル。「ヨーロッパの旅館」をコンセプトにした「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS(ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ)」の第二章の舞台は、静岡県熱海だ。穏やかな海原に浮かぶ大島と初島。眼前に相模湾の景色を望む絶好の特等席は、名工・木下孝一棟梁による数奇屋造りの名建築をそのままに残した本棟と、新築した客室エリアの別棟から成る。質実剛健でありながら奥ゆかしい品にあふれる日本の伝統的空間で、ひらまつ渾身の正統派フランス料理を味わい、日本屈指の名湯である熱海温泉を引き入れた客室でくつろぐ。都会の大人たちが求める粋と贅を凝縮した世界観がここに生まれた。

もちろん海外のスモールラグジュアリーリゾートにも憧れはある。けれど近場で世界水準の上質なサービスを供する洗練されたリゾートがあったらどうだろう? しかも、東京都心から車で約2時間の熱海に! お籠り感たっぷりの待望のスモールラグジュアリーリゾートの誕生で、これから熱海の愉しみ方が変わるかも?そんな予感すら感じてしまうのは、きっと筆者だけではあるまい。

第一弾・賢島に続き、またひと味もふた味も違う、「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 熱海」の全貌を早速お届けしよう。

熱海路に車を走らせ、ともすると見逃してしまいがちな細い小道を折れ、崖際の坂を登っていく。しばらくすると見えてくるのは「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 熱海」の看板。(神の使いとして崇められる象をモチーフにしたエンブレムが目印。)門をくぐると、日本庭園が広がり、その奥に母屋が見えた。すぐに支配人や女将、スタッフの皆さんが温かく出迎えてくれる。かつては個人所有の別宅だったというこの建物。足を踏み入れた瞬間、まるで自分を待っていてくれたかのように打ち解ける。このムードに自然と親しみが湧く。チェックイン時に通されるラウンジからは、インフィニティプール越しに、海がごく近くに感じられる美しいパノラマが広がる。ドラマティックな一夜の幕開けを予感させる絶景である。宿への到着時刻は、ぜひ夕暮れ時に合わせるのがベストだ。

純日本的の空間で味わう、極上フレンチという面白味。

熱海と言えば、古くからの観光温泉地だが、ここ最近再開発が進み、スモールラグジュアリー系の宿泊施設が増えている模様だ。そんな巷の流れはあるものの、平松会長がこの地に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS」の第二弾をオープンさせた最大の理由は、建物が持つ日本古来の伝統美に魅せられたからだという。希少な節のない檜の柱や梁は、釘を一切使わず、素の形を活かしながら組み上げられている。こうした木組みの工法は、日本の伝統的な熟練した匠の技の結晶だ。訪れるだけでも価値がある、何百年もの時に耐え得る名建築。ひらまつのホテル事業の第二弾の舞台として、これほどふさわしい場所も他になかったのだ。

ひらまつ的ホテル空間の妙。

「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 熱海」は、食事を楽しむメインダイニングと温泉付きの客室、眺望を楽しめるラウンジの3つのみのミニマルなシステムだ。アクティブに観光を楽しむ宿というより、誰にも邪魔されないお籠りステイを求める人にうってつけ。賢島のようにスパや大浴場があるわけではないが、プライベートな空間を重視した贅沢な設計が魅力となっている。特筆なのは、客室や廊下など、そこかしこに目を見張るような趣向が凝らされている点だ。さり気なく飾られている絵画は、片岡球子、ジョアン・ミロ作。美術館級の名品だ。日本の伝統建築とモダンなアートの粋な融合は、もともと画廊と縁の深いレストランひらまつに通じる空間づくりを感じさせる。

全13室という客室数は、ひらまつが考えるスモールラグジュアリーの質を損なわないために最適な規模感だ。接客を担うのは、全員ひらまつの社員としてレストラン事業を経験したおもてなしのプロフェショナルたち。宿のホスピタリティを象徴する女将がいる点も賢島と同様。熱海の女将の荒井さんは、これまではひらまつのウェディング事業に携わってきた方。親身にゲストに寄り添う優しさと、気さくで懐の深さで、滞在中にはなんでも気軽にお話や相談ができる頼れる存在だ。

大胆でありながら、計算された居心地の良さ。

客室では熱海温泉のお風呂をいつでも楽しめる。デスク、ベッド、お風呂が一直線上に配置され、視線の先に海が見渡せるようになっている。「部屋で過ごすどんな時にも熱海ならではの絶景を楽しめるように」との、ひらまつの粋なはからいが垣間見える。室内風呂という大胆なデザインもまた珍しい。露天風呂付き客室というのはよくあるが、室内にお風呂があるのは筆者は初体験だった。実際には、浴室と寝室の間に、しっかりとした仕切りの扉が備えられているので、温泉の湯気が気になることはない。一方でベランダ側の窓を開放すれば、浴室自体が半露天になるというユニークな趣向だ。
極上の眠りを約束してくれるのは、大塚家具と米国KINGSDOWN社の共同開発によるプレミアムマットレスブランド「レガリア」のベッド。宿泊客からも好評。アメニティはイタリアの高級ブランド「ブルガリ」のもの。オリジナルデザインの部屋着は、肌触りのよい素材で、気に入って買って帰る人もいるとか。滞在中はこれに着替えてリラックス。ちなみに室内着は、ディナーや朝食時にそのまま着ていくことができる。
ミニバーには、フランス発のジュース&ネクターブランド「アランミリア」やネスプレッソが備わっている。(「アランミリア」は、まるでフランスの高級ワインのように、テロワールが生み出す採れたての素材の美味しさを凝縮した濃厚な味わいが特徴で、"美食として味わえるジュース"という新境地を開拓したブランド。)用意されているドリンクは宿泊料にインクルードされているので、気兼ねなく楽しめる。チェックインを済ませて部屋に入ると、ウェルカムスイーツの自家製マカロンが用意される。興奮冷めやらぬプロローグに、まずはスイーツとドリンクで一服を入れたい。

続く「後編」では、滞在のメインイベント。ひらまつ渾身のディナーをご紹介する。


ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 熱海
静岡県熱海市熱海 1993-237
交通アクセス:東京駅から「東海道・山陽新幹線」で熱海駅まで約45分、名古屋駅からは「東海道・山陽新幹線」で熱海駅まで約1時間半。熱海駅からタクシーで約10分。
Tel:0557-52-3301
客室数:13室
www.hiramatsuhotels.com/atami/