人魚が泳ぐ1万本のペットボトルでできた海 / 海洋汚染はそれほどまでに深刻なのでしょうか?

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美しい人魚が泳いでいるのは、ペットボトルの海。

フォトグラファーでもありビジュアル・アーティストでもあるベンジャミン・ヴォン・ウォン(Benjamin Von Wong)さんは、この作品を通して、プラスチックによる深刻な海洋汚染への警鐘を鳴らしています。

確かに、海に浮いていたり海岸に流れ着いたりしているプラスチックゴミはよく見かけますものね。でも、そんなに深刻なのでしょうか?

「毎年少なくとも800万トン分のプラスチックが海に流出。このまま対策を取らなければ、2050年までには海のプラスチックの量が魚を上回る計算になるという」

これは日経新聞が掲載した、2016年スイスで開催された世界経済フォーラムが発表した報告書の内容です。さらに報告書は、「プラスチック容器のリサイクル率はわずか14%で、紙の58%や鉄鋼の70〜90%を大幅に下回って」いて、「プラスチックのリサイクルを促進し、海など自然界への流出を防ぐ対策の強化が急務」だと指摘しています。

【もっと興味をもってもらうために】

ただ、プラスチックの海洋汚染は身近な問題ではないこともあり、多くの人に関心を持ってもらうのは難しい。そう感じていたウォンさんが、興味をもってもらうための方法を探り、Mermaids Hate Plastic(人魚はプラスチックが嫌い)というキャンペーンを仲間を巻き込んで始めたのだそう。

そして、このキャンペーンに関心を集めようと制作されたのが、1万本のペットボトルの海に人魚が泳ぐ作品です。

1万本。この数は、アメリカでは “1人あたり平均で1年167本” のペットボトル飲料が消費されていて、これを60年続けるとおよそ1万本になることから。

廃棄されていたペットボトルを集め、キャップやラベルをはがして作ったというペットボトルの海に、すべてハンドメイドだという人魚の尾を身につけたモデルが横たわる。

寝そべっている姿は実にファンタジックですが、表情は苦しげにも見えます。

【意識することと行動すること】

海のプラスチックゴミの量が魚を上回るという2050年の予測を現実のものにしないために、何ができるのでしょうか。

報告書にもあったように、プラスチックをリサイクルにまわすことや、このキャンペーンが Change.org で賛同者を募っているように、自分が利用するプラスチックの量を減らすことも重要なのだと思います。

一方で、今この瞬間も新しいプラスチック製品が生産され、利便性が高いのも事実だから、つい手にとってしまう……。自分の意識や行動をがらりと変えることは難しいですが、よりよい未来に近づけることを願って、まずは問題を知ることから始めてみます。

参照元:Benjamin Von Wong ブログ、日経新聞
参考リンク:Change.org
Photo:Benjamin Von Wong
執筆=田端あんじ (c)Pouch

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