場所や時間にとらわれないのがテレワークのいいところだが課題もある

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 安倍政権が力を入れている「働き方改革」で、テレワークという働き方に再び注目が集まっている。一般社団法人日本テレワーク協会によれば、テレワークとは「情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のことを指している。こうしたテレワークが、なぜ注目されているのか? テレワークのコンサルティングを手がけるテレワークマネジメント代表・田澤由利氏にテレワークのメリットや課題などを聞いてみた。

――そもそも企業がテレワークを推進するメリットは何なのか?

 いくつかありますが例えば将来の人材確保。出産や親の介護などで優秀な人材を流出させなくてよくなります。通勤という負担がなくなることで障害者雇用も推進しやすくなる。また、多様な働き方ができるということで企業イメージも向上します。通勤費などのコスト削減や災害時のリスク分散もメリットでしょう。なかでも、この先の超高齢社会のことを考えると、企業にとっても働く側にとっても介護離職は切実な問題です。その際、在宅で働きながら介護ができれば、働く側は会社を辞めずにすむし、企業も会社を支えてくれている管理職社員を失わなくてすむ。出産や子育てなどのライフイベントを迎えても働き続けられます。私の会社は東京、北海道、奈良にオフィスがありますが、それぞれのオフィスに出勤している人もいれば、在宅勤務をしている人もいます。オフィスワーカーは基本9時〜17時30分で7時間30分労働(休憩1時間)ですが、在宅勤務者は1日の中で7時間30分労働になるように働いています。子どものお迎えがある時間や寝かしつける時間など、働く側の都合で仕事ができない時間は労働時間にカウントしていません。

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――その際の管理はどうしているのか?

 うちの場合バーチャルオフィスを使っていて、そこに各人の席が用意されています。そして勤務中は、バーチャルオフィスの座席やバーチャルオフィスの仕事スペースに着席していることがルールになっています。また、着席時間は勤怠管理システムで、この7時間30分をカウントしています。

――着席だけで仕事をしていないケースも考えられるのでは?

 着席中はランダムに各人のパソコンの画面が記録されるようになっています。仮に着席中にパソコンの画面が一定時間変化していない場合、仕事をしていないことがわかるようになっています。ランダムに記録されるのでサボれませんよね?

――こうしたテレワークを導入しやすい企業はどんな企業か?

 現状では、パソコンを使った仕事が多い企業が導入しやすい。IT企業がその代表例です。ほかでは電話での顧客対応がある企業。例えば星野リゾートでは、総合予約窓口のコンシェルジュ業務を在宅でできるようにしています。メール対応だけでなく、コールセンターに出勤しなくても在宅でセンターと遜色ない環境を構築している。また導入のしやすさはともかく、女性社員が戦力の企業は必要に迫られるでしょう。イメージ向上だけでなく企業の利益を考えた場合、出産や育児などのライフイベントを迎えても、戦力である女性社員が安心して働ける環境を整える必要があるからです。

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――企業がテレワークを導入するために大事なことは何か?

 一番大事なことは、オフィスでやっている仕事をテレワークでもできるようにするということでしょう。そのほうが働く側も受け入れやすい。テレワークだからと、特別な管理方法が必要だったり、オフィスで働くのとは別の成果を求めるような働き方だと、企業側もスムーズな運用が難しい。もちろんテレワークを実現するためには、ICTサービスやツールの導入は必須です。その際、企業はテレワーク導入にかかるコストはあるが、カットできるコストがあることも知っておく必要がある。私の会社は従業員の7割以上がテレワークで働いていて、当然、セキュリティや労務管理、コミュニケーションを効率よく実現するためのサービスやツールにコストをかけています。そのぶん賃料が高くて広いオフィスは必要ありません。通勤費も減らせる。テレワークによって抑えられるコストもあるわけです。