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神戸大学医学部附属病院(薬剤部/同患者支援センター)、アインホールディングス、および大日本印刷(DNP)は11日、在宅医療を受けている患者の服薬状況を客観的に確認できる「服薬管理カレンダー」の開発と、本カレンダーを用いたエビデンスの構築を目的とする実証試験を開始すると発表した。

近年、生活者の高齢化に伴って在宅医療が推進されており、その患者数は今後さらに増加する見込みだ。こうした在宅医療を含む外来治療では、薬による治療で重要となる「服用状況の正確な把握」を行う手立てとして、患者の自己申告や訪問時の事後確認といった不確実な情報に頼らざるを得ないのが現状という。その結果、誤った服用情報に基づいて不必要な薬を追加したり、不要な残薬が発生したりすると考えられる。

そこで3者は共同で、正確な情報を得られる環境を構築するため、在宅医療で現在使われている「お薬カレンダー」の形態を変えずに、現状より客観的な服用状況の確認が可能な「服薬管理カレンダー」を開発。今回、完成したプロトタイプについて、北海道夕張市のアイン薬局夕張店で訪問薬剤管理指導を行っている患者10名を対象に、2017年1月〜3月の期間で実証試験を行う。ここで得た検証結果を蓄積し、より使いやすい服薬管理カレンダーの開発につなげていく想定だ。

このプロジェクトにおいて、神戸大学の薬剤部と患者支援センターはシステム評価およびエビデンス構築のための研究計画の立案と解析を担当し、アインHDは実証試験の実施、DNPは服薬管理カレンダーの作成および関連システムの構築と改修を行う。

 本研究を通じて作成する服薬管理カレンダーは、活用されて初めて役に立つものであり、本カレンダーの普及に向けて、製品化と販売、供給体制の整備を行っていく予定です。

○NFC搭載端末で服薬状況をデータ化

三者により開発されている「服薬管理カレンダー」には、曜日ごとに朝・昼・夕食後、就寝前の4つのポケットがあり、合計1週間分が格納される。カレンダーの裏面に回路を印刷し、各ポケットと電子モジュールの端子をつなぐことにより、在宅医療を受けている患者がポケットから薬を取り出すと、取り出したポケットの位置と日時が記録される。

このカレンダーにNFCが搭載されたスマートフォンなどの端末をかざすと、記録された情報を読み取り、スマートフォンの画面に服薬情報として表示する。ここから取得したデータの管理には、患者の生活行動を可視化し、医療従事者が診断や処方、指導に活かすためのDNPのシステム「DNPモニタリングシステム Your Manager」を活用する。

(杉浦志保)