Inc.:内部告発による訴訟で、Googleが法的トラブルや社会的評価の低下につながる情報を社内で厳しく管理していることが明らかになりました。

そろそろ、同社のミッションステートメントを新しくする時かもしれません。それは、「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」というものです。

この文言はGoogleの企業サイトから筆者がコピー&ペーストしたものですが、これからは次の注意書きを添えるべきでしょう。「*ただし、Googleの社内事情についての情報は除きます。Googleに関する情報は社外秘にさせていただきます」

もちろん、どんな業界においても、自社内でのコミュニケーションや協議の内容を部外者に公開したい企業はまずないでしょう。それに、数カ月ごとにSFさながらのイノベーションで世界をあっと言わせるのを誇りにしているGoogleのようなテクノロジー企業は、普通の企業以上にたくさんの企業秘密を抱えています。

それでも、「The Information」が最初に報じた内部告発者訴訟において詳述されたGoogleの「社内秘密主義」は、一般的な慣習のレベルをはるかに超えています。

原告となったNestの元プロダクトマネジャー(匿名)によると、Googleは法廷に召喚されることを恐れて、従業員たちに対し、社内で違法かもしれない行為があっても、それについての懸念を文書化しないように指示しているそうです。またGoogleの厳しすぎる秘密保持条項により、従業員は自分の仕事について、友人や配偶者を含む社外の人間に話すことができません。さらに同社は、情報を漏らした人間を探し出して解雇し、従業員には同僚について告げ口することを奨励しています。

Googleの被害妄想的な傾向を最も明白に示す例は、従業員に「シリコンバレーのテクノロジー企業で働く人物を描いた小説」を執筆することを禁じる規定です。そのような作品を発表したい人は、Googleの顧問弁護士に最終稿を提出して承認を得なければならないのです(企業弁護士が手直しした小説とは、さぞかし面白いことでしょう)。

匿名の内部告発者は、これらの厳しい規定はカリフォルニア州の労働法と全国労働関係法に違反していると考えています。後者の法律は、特に従業員が「賃金、手当、その他の雇用条件について、報道機関、政府機関、その他の第三者に意見を伝えること」を認めています(報道によるとこの内部告発者は、Facebookへの投稿で、自身の上司だった当時のNest部門のCEOトニー・ファデル氏に関する不満を述べたという理由で解雇されました)。

この新たな訴訟について尋ねられたGoogleの広報担当は、「事実無根」だとの声明を出しています。


「わが社はオープンな社内文化に注力しています。すなわち、製品ローンチの詳細や企業秘密を従業員と頻繁に共有しているということです。透明性はわが社の企業文化の大きな部分を占めています。従業員の守秘義務は、自社独自の企業情報を保護するためであり、従業員が雇用条件や労働環境をめぐる懸念について情報公開することを阻止するものではありません」


しかし、厳格な守秘義務は「オープンな社内文化」を維持するために必要だと主張したところで、明らかにGoogleを批判や法的責任から保護することを目的とした手段が正当化されるわけではありません。

違法行為の懸念がある件について文書化を禁止するのは、Googleのエリック・シュミット会長が同社幹部たちに対して、Googleが複数のテクノロジー大手と交わした紳士協定にに関する電子メールを送らないよう通告した話を思い出させます。「あとで訴えられかねない文書の痕跡を残したくない」と、シュミット会長は同社幹部に告げました。この紳士協定は、互いの中心的な従業員を引き抜かないというものでしたが、その結果、GoogleとApple、Intel、Adobeは、賃金を抑制する違法な共謀を行ったとして訴えられ、4億1500万ドルを支払うことで和解しました。

Googleが守秘義務契約を利用して、従業員にGoogleでの日々について辛らつな実話小説を書かせないようにするというのは、なんだか滑稽に思えます――しかし一方で、恐ろしくもあります。筆者が主張しているように、世界のテクノロジー大手は自社ビジネスの道徳的側面を無視できなくなりつつあります。彼ら自身は中立でいることを望んでいるのですが、クレムリンやISIS、トランプ政権といった存在が彼らに、言論の自由やプライバシー、オンラインハラスメントといった問題に対する立場を明確にするよう求めているのです。

なんと言っても、Googleはもうひとつの有名なモットーを掲げています。それは、「逮捕されるな」(Don't get caught)ではなく、「邪悪になるな」(Don't be evil)です。


Google's Culture of Secrecy Is a Bad Fit With Its Values|Inc.

Jeff Bercovici(訳:松田貴美子/ガリレオ)
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