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IDC Japanは1月11日、国内のユーザー企業に対し、ユニファイドデバイスマネジメント(デバイス管理/戦略)に対する取組み状況を調査し、成熟度を分析した結果を発表した。これによると、国内のユーザー企業の約半数が個人依存(成熟度ステージ1)および限定的導入(成熟度ステージ2)にとどまり、デバイス戦略を策定し、一定のビジネス効果を創出している「成熟度ステージ4/5」の割合は26.9%となった。

同社では、企業におけるユニファイドデバイスマネジメントレベル(成熟度)について客観的に評価することを目的として、「IDC MaturityScape: Unified Device Management 1.0」フレームワークを開発。このフレームワークに基づき「ビジョン」「プロセス」「テクノロジー」「プラットフォーム」「資産管理」の5つの特性を評価指標とし、それぞれの成熟度を調査分析した。

今回の調査(2016年10月実施)では、ITサービス業界を除く従業員数500人以上の企業に所属し、IT関連部門の担当者/責任者/管理者/事業部長/CIOでデバイス管理/戦略およびエンドポイント戦略や計画策定に関与する200人に対してWebアンケートを実施。これらを総合して国内企業のユニファイドデバイスマネジメントへの取り組みに関する成熟度を分析している。

成熟度は、ユニファイドデバイスマネジメントについてまったく導入していない場合をステージ0(未導入)とし、導入後のユーザー企業の成熟度を、ステージ1(個人依存)、ステージ2(限定的導入)、ステージ3(標準基盤化)、ステージ4(定量的管理)、ステージ5(継続的革新)までの5段階で評価している。

国内企業の40.0%が限定的導入(ステージ2)に、25.3%が標準基盤化(ステージ3)にとどまっている。多くの国内企業は、一部の部門あるいは部門単位で、統合化および自動化されたデバイス管理を行っており、その効果を評価している。部門ごとに一定の投資を実施しているため、デバイスのリスク管理には対応しているが、ビジネス成果に一貫性はなく、全社で統一したデバイス戦略には至っていないという。

多くの企業は事業価値を創出し、ITの生産性を向上させるためのデバイス活用のレベルには達していないと同社では想定している。ステージを上げるためには、ビジネスに貢献する標準化されたデバイス管理プロセスを継続的に見直し、セキュリティと利便性を最適化したクライアント基盤を構築し、ビジネスイノベーションや変革を実現することが求められるとしている。

米国の成熟度は、日本と同様に限定的導入(ステージ2)もしくは標準基盤化(ステージ3)にとどまっている企業が多いものの、定量的管理(ステージ4)と継続的革新(ステージ5)の割合は日本よりも高く、日本と比較して上のステージへ移行している状況にあるという。

また、日本企業は米国企業と比較して、ステージ4以上への移行が遅れており、理由としてITリテラシーの低さ、IT人材の枯渇およびIT人材に対する低い評価、デバイス管理/戦略の責任者の権限/役職が低いことを挙げている。「ITリテラシー向上」「権限/役職の確保」「IT投資の評価」「IT人材育成」という正のスパイラルを回すことで、さらに上のステージに進むと考えられている。

同社のPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は「企業経営者/CIOは、自社のデバイス管理/戦略を真剣に検討し、戦略的基盤として形成し、生産性向上や売上拡大に寄与することを再考すべきである。このことによって、リスク評価やコスト評価を考慮した事業施策の意思決定が行え、運用プロセスや先進的なテクノロジーの活用への取り組みが進展し、さらに成熟度が高まる」と述べている。

(岩井 健太)