トルコリラ/円は昨年から顕著な下落トレンドにあるため、安値を更新するたびにナンピンの要領でロングを形成。一時的な反転局面でショートを仕込むことで、含み損拡大のリスクをヘッジ

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◆最安値のロング3に対して売り1の両建てで堅実投資

「前歯をオールセラミックにしたんです。けっこう高かったんですが、トルコリラの稼ぎで払えました」

 そう言って白い歯を見せながら笑うのは、トルコリラをメインにトレードする那菜さんだ。

「トルコリラを始めたのは去年の8月、チャイナショックのあとでした。それまでは米ドルや豪ドルをトレードしていたんですが、『○○ショック』に振り回されることが多かった。それで、何もしなくても毎日金利がもらえるスワップ派もいいな〜と思ったんです」

 去年7月のトルコリラ/円は45円前後。それが、チャイナショックを経て暴落して以降、大きな反発もなく右肩下がりに。’16年前半の円高相場もあり、11月下旬時点では32円台まで下落している。チャイナショックから約30%も下落しているのだから、結構な含み損を抱えていそうだが……。

「私も最初はただ買っているだけだったので、下げ続けるトルコリラを見て凹みました。でも、ある掲示板で知り合った人から『トルコリラは両建てするといいよ』と言われて。買いだけではなく、売りでも入るようにしたんです。それからは順調に利益が出ています。トルコリラ、とてもよく落ちるので、ショートでの利益が(笑)」

 ただ、両建ては簡単そうに見えて、問題がある。まずは証拠金。買いと売りの両方を建てると、単純に必要証拠金が2倍になるFX会社も少なくない。

「私が使っているのは外為どっとコム。両建てしていても、よりポジション量の多いほうの証拠金だけで済みます」

 こうした証拠金の計算方法を一般に「マックス方式」という。理論上、同じ枚数だけ売りと買いのポジションを保有していたら、変動リスクはゼロ。その点に配慮して、売りと買いで建玉の多いほうにのみ必要証拠金が発生するのだ。両建てすることが多い人は、このマックス方式がオススメだ。

◆スパンモデルで売りポジションを形成

 もう1つの問題は、買いと売りの数量バランス。

「本来の狙いはスワップなので、買いポジションが3あったら、売りは1を目安にしています」

⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=125114

 買いポジションの3分の1が売りポジションの目安。ただ、政策金利が8%のトルコリラだと、これだけでは30%の下落には耐えられない。

「買いポジションはなるべく底で拾いたいので、直近安値の下に指値を入れています。今持っている買いは31円。米大統領選で急落したときに買ったものです。次に買うとしたら、30.90円くらい。買い下がるときにはナンピンのように、保有ポジションと同じ枚数ないしは最大で2倍の枚数を建てて、なるべく平均レートを引き下げるようにしています」

 ただ、底で拾ったと思ってもまだ下がるのが近年のトルコリラ/円。含み損が拡大してきたときの対応は?

「ショートポジションの含み益が、買いの含み損を相殺できるくらいに育ったら高値で掴んだロングを手じまい、一番安値で拾ったロングだけ残るようにしています。例えば、40円で3枚ロングして、41円まで上昇したところで1枚売りポジションを建てたときには、39.5円まで下がると買いの含み損と売りの含み益が一致しますよね? ただ、40円の安値を割り込んだ時点で私は39.9とか39.8で新規の買いポジションを建てている。だから、40円のロングだけ手じまって、新規のロングを残すんです。ちなみに、ショートは『スパンモデル』でエントリーのタイミングを計っています」

 スパンモデルは一目均衡表の雲と遅行線のみを使ったテクニカル。通常なら26日先(チャート上でローソク26本分右)に表示される雲をリアルタイム(通常よりも26本分左)に表示させているのが大きな特徴だ。