大迫と固い絆で結ばれている内田。写真:徳原隆元

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 大迫勇也にとって、内田篤人は恩人のひとりだ。大迫は言う。
 
「僕がドイツに移籍するきっかけを作ってくれたのは、篤人さんだったんです。ある時、急に篤人さんから電話があって、『大迫ってさ、海外行く気あるの?』と訊かれたんですよ。それで『考えてはいますけど』と答えたら、代理人を紹介してくれて。今ここにいられるのは篤人さんのおかげでもある。だから、また代表戦で一緒にプレーしたい」
 
 2016年の年末、この大迫のコメントを伝えると、内田は「お年玉でもあげちゃおうかな」と満面の笑みを見せた。
 
「アイツ(大迫)が高校生で鹿島の練習に参加した時、こう思いました。『高校レベルじゃ止められない。対峙する高校生は可哀想じゃん』って。それほどインパクトがありました」
 
 その才能を見抜いたうえで、プロになった大迫の成長を見ていた内田は、ある時、「大迫もそろそろ海外に行く選手だな」と思ったという。
 
「僕も最初は代理人をつけなくていいと考えていた。海外に行く必要なんてないと。でも、そこからスタンスが変わって代理人といろいろ話していくうちに、大迫のことが気になった。アイツもそろそろ海外に行く選手だなって」
 
 そういう流れで、内田が大迫に代理人を紹介する運びとなった。
 
「『代理人をつける、つけないは大迫の判断。とりあえず話だけでも訊いてみたら』と言ったのは覚えていますね。それで、結局ドイツに移籍し、2部から1部に上がって、今がある。それはアイツの力ですよ」
 
 そう謙虚に語る内田篤人だが、このSBの「海外行く気あるの?」という“ひと言“が大迫勇也のキャリアを動かしたことは間違いない。

文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)