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良い映画を作るためには良い画作りが欠かせず、そのためには優れた「編集」が求められます。しかし、ひとえに編集の仕事と言っても実写とアニメーションで果たす役割はまったく異なるものだとのこと。ディズニーのアニメーション製作における編集の役割とはいかなるものかがムービー「How Do You Edit an Animated Film?」で解説されています。

How Do You Edit an Animated Film? - YouTube

1980年代にマイケル・アイズナーがディズニーのCEOに就任し……



ジェフリー・キャセンバーグがモーションピクチャー部門のトップに就いてから、ディズニーのアニメーション製作現場の物語がつむぎだされることになりました。



当時はアニメーションの編集作業という概念が一般的でなく、アニメーションを編集するということに対しては製作現場に懐疑的な声があったとのこと。



しかし、キャセンバーグは「それは馬鹿げた考えだ。どんなものだって編集できるはずだ」と繰り返しました。そして、今では彼は正しかったことは明らかです。



アニメーションの編集に必要なことは、普通の編集作業のものとは異なっています。



短いショットはアニメとして描かれクリップされ、順序立てて並べられます。



しかし、一般的な編集者に求められる以上のことがアニメーションの編集者には求められます。



その作業は、プロダクション全体の中でもとてつもなく長く続く作業の一つで、最も集約的な役割です。



「ライブアクション(実写)の製作は、まず撮影して、後から編集します。しかし、アニメーションの製作は、最初に編集してそれから撮影するものなのです」とカーズやトイストーリー3の編集を担当したケン・シュレツマン氏は述べています。



実際にアニメーションが撮影されるまでに、構想・編集を経て2年もの時間がかかることもよくあるとのこと。



ライブアクションと違ってアニメーションの編集部門はメインの製造部門から分離されていません。



編集部門はフィルム製作の鍵となる重要な役割を担っているのです。



それは、書かれた脚本をただアニメーションにする、というような一本道の作業ではありません。



ベースとなるストーリーからゴールとなる作品が出来上がるまでに、多くの人のアイデアが投げかけられ、アニメーションに反映されます。



そこで出されたアイデアは絵コンテに取り入れられ、そしてアニメーターが絵に落とし込んでいきます。



また、絵コンテで音声やBGMがのせられていきます。



最初に考え、話し合い、絵が描かれ、何度も描き直されます。



再びシーンが切り取られて、やり直しの連続。1度目より2度目の方がより理想に近づきますが、まだまだ十分ではありません。



「ライブアクションの編集は『後始末』の作業です」



「しかしアニメの編集は、もっとコントロールの幅の広い作業です」



「編集者の手の中にはずっと創造的なプロセスが与えられているのです」



ライブアクションの編集は、最後に形を整える作業であり、撮影が第一原則であり、編集は脇に置かれます。



アニメーションの編集はこれとは正反対。



編集者の声が押し出され、映像がベストな状態になるように、リードします。



「おそらく15パターンくらいのアイデアが出され、そのうち2つか3つが実際に絵として描かれて、最終的に最もシンプルな1つのアニメーションになります」とファンタスティック Mr.FOXの編集者のアンドリュー・ウェイスラム氏は述べています。



あるシーンの撮り直しをする場合、ライブアクションでは大事ですが、アニメーションではそれほど大きな問題にはなりません。



シーンが決定すると……



レイアウトを経て……



アニメーションになります。



わずか数秒の追加シーンでさえ、大きな仕事を成し遂げることがあります。



アニメとライブアクションとで編集のやり方はまったく違うものですが、ライブアクションであれアニメーションであれ、「感動を引き出す」という編集に与えられた重要な役割に違いはありません。