会見に臨んだ広瀬アリス

写真拡大

 劇作家で演出家の赤堀雅秋が作・演出を手がける舞台「世界」の会見が1月10日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで行われ、赤堀をはじめ出演の風間杜夫、大倉孝二、早乙女太一、広瀬アリス、青木さやか、和田正人らが出席した。鈴木砂羽も登壇予定だったが、体調不良により急きょ欠席となったため会見後の公開舞台稽古は中止に。昼過ぎに行われた舞台稽古に参加した鈴木は、終えた直後に不調を訴え病院へ向かったという。明日から始まる本公演は出演する予定だ。

 舞台作品のみならず、自身の戯曲を基にした「その夜の侍」「葛城事件」で映画監督も経験している気鋭の演劇人・赤堀が手がける本作は、地方都市で工場を営む足立一家を軸に、様々な人間関係を描く。足立家の大黒柱・義男(風間)はある日突然、妻の節子(梅沢)から離婚を切り出される。一方、息子・健二(大倉)は、8年前に美紀(青木)と結婚したが、現在はスナックのママ・宏子(鈴木)と浮気中。また美紀のパート先であるスーパーの店員・諸星(和田)はデリヘル嬢のあずみ(広瀬)に思いを寄せていた。

 舞台初挑戦の広瀬は、「分からないことだらけなので、正面からぶつかろうという気持ちで毎日稽古をしていました」と振り返る。稽古の手応えを問われると、「緊張が勝ってしまっている。毎回舞台に立つと緊張して手が震えてしまいます」と告白。さらに、自身の役どころについては「稽古に入る少し前に、赤堀さんに実際にお会いして、他愛ない世間話をしたんです。そして2、30分経った頃に『もう大丈夫です』っておっしゃった。その時に私の何かを見て、あずみという女の子の人物像を描くのかなと思ったら、デリヘル嬢だったので、なんか…うん(笑)」と苦笑いだった。

 繊細で丁寧な人間描写や、陰影あるキャラクター造形で独自の世界観を築いてきた赤堀。「演出を受けた感想」を聞かれた風間は、「赤堀さんは自分が完成したい世界をイメージできているので、演出の仕方が具体的で分かりやすい。そして諦めないところが素敵。諦めずに、役者にとことんだめ出しをしてくれる。そこに大変感銘を受けております」とストイックな人柄を明かす。広瀬も「まったく妥協されない方。最初から最後まで全力でやっていきます」と同調した。

 一方、和田は「『命がけで』とか、『死ぬ気で』という言葉を心の底から言っているんだなと実感した。ひとつの作品を作ることの責任、生きていくうえでの重さを真っすぐにぶつけていただいた」と言い、そのうえで「自分が取り組んでいることが、まだまだ甘いと気づかせていただいた。とても深い愛だと感じた」と言葉を噛みしめた。「世界」は、1月11〜28日にBunkamuraシアターコクーンで上演。