2017年を迎えても、松山英樹(24歳)が好調だ。

 PGAツアー2016−2017年シーズンの年明け初戦、ハワイ州マウイ島のカパルア・プランテーションコースで行なわれたSBSトーナメント・オブ・チャンピオンズ(1月5日〜8日)。昨年のツアー優勝者だけが出場できる大会で、松山は惜しくも優勝は逃したが、見事2位でフィニッシュした。これで、新シーズンは4戦2勝、2位2回(※アンオフィシャルのヒーロー・ワールドチャレンジ優勝も含む)と、抜群の成績を残している。

 大会前、オフ明けの松山はとてもリラックスしていた。

「オフは何もしていないです。練習も、トレーニングも。お酒ばっかし飲んでいました。毎日バカみたいに飲んでいるわけじゃないけど、飲んで休んで、飲んで休んで......。ああ、お酌のトレーニングは結構しましたよ(笑)。(オフの間は)ゴルフのことを何も考えずにいられたので、それはよかったな、と思います。リフレッシュできたし、疲れもとれました。ほんと、何もしてなかったですから」

 十分にオフを満喫した松山。「その分、(ゴルフの感覚は)ちょっと鈍っていますけど」と話していたが、昨年の終盤と変わらず、初日から安定したプレーを披露。4バーディー、ノーボギーの「69」をマークして、トップと4打差の7位タイという好位置でスタートした。

「ショットに関しては、ほぼパーオンしている。チャンスは多くなかったけれども、いいプレーができたと思う。パットは、よくなったり、悪くなったりの繰り返し。やっぱり、ショートゲームはうまくいっていない。そこをいかに修正するかでスコアが変わってくると思う。まあでも、(ショートゲームに関しては)時間がかかると思っていたので、こんなものかな、と」

 2日目は17番でダブルボギーを叩いたものの、7つのバーディーを奪って「68」。5つスコアを伸ばして、トップと3打差の6位と順位も上げた。

「(課題のショートゲームは)アプローチはそんなに悪い感じはしなかったけど、100ヤード以内の距離感がまだ合っていないですね。(スイングなど)いろいろと変えている部分があって、それがちょっと影響しているかもしれない。それでも、アイアンショットが思うように打てている感じはあるので、そこで(スコアを崩さずに)助かっている。あまりいい感じじゃないゴルフでこの位置(6位)にいられるので、もう少しいい形でショットも、アプローチも、パターも打てるようになったら、楽しみが広がるかなと思います」

 日に日に調子を上げる松山は、3日目でさらに爆発。8バーディー、1ボギーの「66」をマークして、通算16アンダーまでスコアを伸ばした。トップのジャスティン・トーマス(23歳/アメリカ)とは2打差の2位という位置まで浮上し、今季ツアー2勝目を完全に射程圏内に入れた。

「何がいい、というわけではないけど、うまいことミスを少なくしてプレーできたのがよかった。そして、序盤でいいバーディーを決められたので、波に乗ることができた。(スイングは)毎日そうなんですけど、終盤になるとブレ始める。そこが、明日(最終日)はネックになるかな。また、(首位の)J・トーマスにはウィークポイントがない。飛距離もあるし、ショートゲームも素晴らしく、パットもうまい。彼に追いつくためには、相当(スコアを)伸ばさないといけないと思う。まあでも、何かきっかけが見つけられたら、(優勝の)チャンスはあると思います」

 迎えた最終日、いきなり1番で松山がボギー。出だしでつまずいて、トップのJ・トーマスとの差は前半9ホールを終えて5打差に広がった。それでも後半、松山が猛追。14番で松山がイーグルを決めると、15番でJ・トーマスがダブルボギーを叩いて、ついに松山が1打差まで迫った。が、最後はJ・トーマスが17番、18番と連続バーディーを決めて松山を振り切った。

「(首位に)1打差となったときにはチャンスがあると思ったけど、15番で(バーディーを奪えず)追いつくチャンスを逃した。続く(パーで上がった)16番もそう。そこで、相手に余裕を与えてしまった。それが(J・トーマスの)17番のいいショットにつなげられた。もう少し(自分が)レベルの高いゴルフができていれば、最初からジャスティンを苦しめられたと思うけど、さすがに最後のほうだけでは厳しい。彼には十分に余裕がありましたね」

 優勝には手が届かなかったが、「ショットも、パットもまだまだ。何箇所か修正しないといけないところがある」という状況にあっても、2位という好結果を残した松山。2017年も、昨年末の勢いそのままに一層の活躍が期待できそうである。

「今、すごく自信を持ってプレーができている。昨年まで打てなかった球がしっかりと打てたりして、(自分も)少しずつ変わってきている。今後もしっかりと練習をして、勝てるようにがんばりたい」

 次戦は、再びハワイで行なわれるソニーオープン(1月12日〜15日/ハワイ州・ワイアラエCC)。いまだ最終日まで駒を進めたことがなく、決して得意とは言えない舞台だが、そこで今の松山がどんなプレーを見せてくれるのか、注目したい。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva