8日、米ニューヨーク在住のジャーナリスト、リチャード・カッツ氏は、高齢化と人口減少が押し寄せ、政府の債務残高が大幅に増える日本が0.5%の経済成長を長期間維持するのは難しく、製造業の海外生産移転がそうした苦境を強めかねないと指摘している。写真は東京。

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2017年1月8日、米華字メディア・多維新聞によると、米ニューヨーク在住のジャーナリスト、リチャード・カッツ氏は、高齢化と人口減少が押し寄せ、政府の債務残高が大幅に増える日本が0.5%の経済成長を長期間維持するのは難しく、製造業の海外生産移転がそうした苦境を強めかねないと指摘している。

国際協力銀行(JBIC)の最新の報告書によると、日本の製造業の2015年度実績の海外生産比率は35.6%で、この割合は2019年には38.5%に達するとみられる。この現象の主な理由には、海外市場の拡大や、低賃金、低コストを追求する多国籍の競争がある。

主要4業種では自動車が46.8%で最も高く、電機・電子が45.4%、化学が30%、一般機械が27.4%。事業展開先として有望とされる国・地域はインド、中国、インドネシア、ベトナム、タイ、メキシコ、米国の順となっている。

日本経済の全体的な状況は非常に良いとは言えない。国際通貨基金(IMF)は、日本経済が現在直面する3つの問題点として、消費と投資の改善がみられず人々の消費意欲が高くないこと、正規雇用と非正規雇用という労働市場の二重構造、35%が働く貧困層という深刻な貧富の格差を挙げている。

カッツ氏は、日本は今後約半世紀にわたり、生産性を大幅に改善させない限り、1人当たりGDP(国内総生産)がまったく増えないおそれがあると指摘する。

現在1億2600万人いる日本の総人口は、2060年代の初めごろまでに31%減少し、中でも20〜64歳の生産年齢人口は42%減る見通しだ。奇跡的な生産性の改善でもない限り、日本の経済規模は2060年ごろには現在から28%減ると予測するアナリストもいる。

カッツ氏は、日本のGDPが全く増えないことは日本の経済成長にとって悪いニュースだと指摘する。日本の何百万人もの人々の生活が苦しくなり、こうした経済面での泥沼が日本社会に分裂的な感情を生み出しかねない。

一方で取り上げなければならないのは、日本の主要企業の約6割が2017年の景気を「拡大」「緩やかに拡大」と予想していることだ。日本企業の間ではトランプ次期米大統領による米経済への期待も目立つ。

日本の経済状況を正しく把握するならばGDPよりも国民総生産(GNP)を見るほうが適切だとの指摘もある。GDPは国内で生み出された付加価値の合計であるのに対し、GNPには日本企業が海外で生み出した付加価値も含まれる。日本の近年のGDP成長率は低く、時にはマイナス成長もあるが、GNP成長率は高く、日本が世界で稼いだ金はすべての国の中で最も多い。日本経済には、国内は保守的で非効率、海外では先進的で高競争力という2つの側面がある。(翻訳・編集/柳川)