今回の質問は、不動産会社に勤める雨宮麻沙美さん(仮名・30歳)から。
「デスクワークのとき、ストールを首にぐるぐる巻きにして作業している後輩女性がいます。気になってしかたがありません。“寒いの?”と聞くと“大丈夫です”と言うのですが、陰気な雰囲気が体全体から出ているような感じで、視界に入ると気が滅入るというか……。マナーとしてはどうなんでしょう?」

さっそく、鈴木真理子先生に伺ってみましょう。

人の注意を引く服装はオフィスでは控えるべき

会社は仕事をする場所です。自分が与えられた業務を行ない、業績を上げることが第一の目的です。とはいえ、仕事さえできれば、ほかはおろそかになっていいかというと、そうではありません。一緒に仕事をするチーム、同じオフィスにいる人たちが快適に滞りなく仕事ができるように気を配るのも大切なことです。自分以外の人の作業効率を落としてしまう行為は避けるべき。それが、今回の場合はストールのぐるぐる巻き、ということになりますね。
風邪気味だったり、体調がすぐれなかったりする場合は別として、ストールをぐるぐる巻きにすると安心するからというような個人的な理由でオフィスの定番スタイルにするのは考えものです。「どうしちゃったの?」と心配されるようないでたちは控えるべきなのです。

一方で、人の服装が気になって自分の仕事がはかどらないというのも、褒められたことではありません。後輩女性の方には「会社は人と人との集合体だから、お互いの気配りがとても大切」と伝えたいですが、雨宮さんもいちいち気にしない、寛大な気持ちでいるように心がげてみてはいかがでしょうか。

デスクワーク専用のストールを用意しよう

ストールの話題になったので、さらに深掘りしていきましょう。
ストールをオフィスの肩掛けや膝掛けに使っている人も多いと思います。通勤時に巻いていたストールを、その日のオフィスの肩掛けや膝掛けにしている人も多いと思います。でも、外で使ったものを室内にそのまま持ち込むことを「マナー違反」とする向きもあることを覚えておいてください。

ストールはコートと同じ扱いになります。来訪する際には、ビルに入る前、受付をするときには脱いで裏返しにしてたたむのがマナーとお話したことがありますね。それは、コートについたホコリなどをお伺いしたオフィスに落とさないようにするという気配りです。通勤で使ったストールも、本来は、コートと一緒にロッカーやコート掛けに置いておくもの。オフィスに持ち込むものではないとされています。デスクワーク中の肩掛けや膝掛けに使いたい場合には、専用のものを用意しておくほうがマナーとしてはよいでしょう。

ストール肩掛けの移動範囲は「ちょっとそこまで」まで

ニットなどの上にストール掛けてお出かけする人も多いですね。ただし、これも、「それってビジネスシーンではどうなの?」と思われる方もいるようです。
ストールの肩掛けでの移動範囲は、「ちょっとそこまで」。たとえば、会議室やATMなど、オフィスビル内の移動、あるいは郵便局やコンビニなど、デスクから「ちょっとそこまで」の移動には、ストールの肩掛けはマナーとしても問題ありません。
ただし、ストールはカジュアルなもの。お客様と会うときには、きちんと袖のあるコートを着るのが正解です。

オフィス内でも腰巻しての移動はナシ

オフィスの中で寒いときは、肩掛けしたり、お腹や膝の上に置いたりして温めるのもOKです。巻きスカートのように、ストールやブランケットを腰に巻いてデスクワークをしているという人もいますね。イスに座っているときには、問題ありません。ただし、その状態でオフィス内をウロウロするのは見苦しいものです。移動するときには面倒でも、一度外して席に置くのがマナーです。

また、肩掛けしている場合も、来客対応や上司に呼ばれてメモを取るシーンでは、動きにくいということもありますから、これも外したほうがよいでしょう。

首にぐるぐる巻きにしたストールは、顔をうずめることもあり、人のストールは衛生的でないと思う人もいるらしいので、そのあたりも気にするといいのかも。



■賢人のまとめ
ストールの肩掛けが醸すリラックス感は、オフィスでは一長一短。席で使っているときにも、上司との打ち合わせや来客対応のときには、外すのがマナーです。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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