航続距離500キロのEVバス「プロテラ」 160億円調達で増産開始

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元テスラ社員が率いる電気(EV)バスメーカー「プロテラ(Proterra)」が、1億4,000万ドル(約164億円)の資金調達に成功した。この資金で生産台数と製造スピードの向上を図るという。

今回のシリーズ5の調達ラウンドではJPモルガンの協力を得て、名前非公開の投資家から4,000万ドル(約47億円)、別の新たな投資家から6,000万ドル(約70億円)を集めた。これまで出資してきたクライナー・パーキンスやタオ・キャピタル・パートナーズ(Tao Capital Partners)、GMベンチャーズなどのVCも、今回のラウンドに参加したという。

カリフォルニア州バーリンゲームに本社を置くプロテラは、サウスカロライナ州グリーンビルの工場で生産中のモデル「Catalyst」の生産台数を2倍以上に増やし、2017年中にロサンゼルス郊外に新たな生産拠点を設ける予定だ。同社は2016年9月、電気バス市場で最も走行距離の長い「Catalyst E2」を発表した。1回の充電で350マイル(約563キロ)も走行できるという。

テスラに創立から2010年のIPOまで務めたプロテラCEOのライアン・ポップル(Ryan Popple)は、「全米の交通機関から注文が入っており、生産能力を上げる必要がある」と、2016年10月のインタビューで語っている。

「顧客数は6カ月で2倍になりました。未納となっている受注分はおよそ2.5億ドル(約294億円)に上ります」

来年にもIPOを視野に

プロテラの競合は大型バスメーカーのニューフライヤーなどで、バスの価格は60万〜80万ドル(約7,050万円〜9,400万円)だ。公共交通機関にクリーンなバスの導入を促すために、連邦政府に加えてカリフォルニア州などの自治体もおよそ10万ドル(約1,175万円)の助成制度を設けている。

ポップルは品質を維持しつつ生産能力を上げるため、テスラからジョシュ・エンサイン(Josh Ensign)をCOO兼製造責任者に迎えた。プロテラの先進的なリチウムイオン電池の開発は、テスラで数年間バッテリーのエンジニアを務めていたダスティン・グレース(Dustin Grace)が統括している。

今回の資金調達に関する発表が行われる前にCrunchbaseが試算したところによると、プロテラは2010年〜2015年におよそ1億8,200万ドル(約214億円)の資金調達に成功している。バスの受注台数が予想通りに伸びれば「1〜2年の間にIPOを行なう」とポップルは以前語っている。

「プロテラの使命は排気ガスを減らし、サステナブルなエネルギー源で走るバスを増やすこと。全てのディーゼル燃料や天然ガス駆動のバスを電気バスに移行させたい」と、ポップルは10月の取材で語った。

「ディーゼル燃料は交通分野で最も危険な汚染物質です。我々は交通から化石燃料を完全に排除したいのです」と彼は述べている。