米現地時間1月9日、ニューヨークのトランプタワーで会談したドナルド・トランプ米次期大統領(向かって左)と中国の実業家・馬雲氏(右)(Drew Angerer/Getty Images)

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 ドナルド・トランプ米次期大統領は9日、中国の実業家・馬雲氏とニューヨークの自宅トランプタワーで会談。馬氏は、むこう5年で米国に100万人の雇用をもたらすとトランプ氏に話したという。

 アリババ・グループの公式ツイッターは同日、トランプ氏と馬雲氏は会談で「中国小売業を助けるために、米国で100万人の雇用を創出する『BABA計画』について議論した」と発信した。

 馬氏は中国最大手電子商取引「アリババ」創業者、中国の8割のネット消費者がアリババを利用するといわれる。馬氏についてトランプ氏は「世界でも最も偉大な実業家の一人」と称えた。

 この賞賛は、対中路線に厳しい態度を示してきたトランプ氏のスタンスとは少し矛盾しているように映る。トランプ氏は主に、知的財産の侵害について中国を非難してきた。

 タオバオは、世界で最も模造品が多いモールと悪名高い。米国通産代表部は2012年、アリババについて「容認できないほど高い割合」でニセあるいは模造品が販売されていると、ブラックリストに入れた。

 いっぽう、馬氏は米国との経済交流の活性化を図る。2015年6月、米国の経済倶楽部でのスピーチで、米国の中小企業がアリババに参入しやすい策を講じ、米国の雇用創出にアリババは関わっていくと宣言した。

 馬氏は「中国の消費者は所得が上がるにつれて、より高品質で多様な品揃えを求めるようになる。そこへ米国の生産者の出番がある」とし、中国で評判の高いアラスカの漁業者、ワシントンのサクランボ農園を例に挙げた。

 また「中国は過去20年、輸出に集中してきた。次の10〜20年では輸入が重視されるべきだと思う。中国はお金を使い買うことを学び、グローバルに多くのモノを手にしていかなければならない。アメリカの中小企業はネットで中国に向けて販売してほしい」と、同スピーチで馬氏は述べている。

 しかし、たとえアリババがアメリカの中小企業を引き入れることに成功したとしても、「米国100万人の雇用創出」につながるかどうかは、明らかではない。米CNBCは、「アリババには2015年3月31日まで、中国だけで3万6千人の雇用者がいるのみだが、同年までに1000万人以上の活発な販売業者と、小売市場に1500万以上の求人を創出することにかかわった」と主張していると伝えた。

(翻訳編集・佐渡 道世)