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By Oliver

他の発電施設よりも多くの二酸化炭素を排出する石炭火力発電所は、日本では新設計画が進められているものの、温室効果ガスの削減を掲げる先進国では閉鎖される傾向にあります。しかし、インドの石炭火力発電所は、排出した二酸化炭素を低コストで回収し、さらに二酸化炭素を使って重曹を生成しており、既存の型を打ち破る新しい石炭火力発電所のモデルケースになりそうです。

Indian firm makes carbon capture breakthrough | Environment | The Guardian

https://www.theguardian.com/environment/2017/jan/03/indian-firm-carbon-capture-breakthrough-carbonclean

A Coal-Fired Power Plant in India Is Turning Carbon Dioxide Into Baking Soda

https://www.technologyreview.com/s/603302/a-coal-fired-power-plant-in-india-is-turning-carbon-dioxide-into-baking-soda/

通常の石炭火力発電所は、アミンといった物質を溶媒として使い排出された二酸化炭素を回収するのですが、この方法だと莫大なお金がかかることから政府からのサポートなどが必要であることが問題視されていました。



By Daniel Spiess

しかし、インドのトゥティコリンにある石炭火力発電所は、Carboncleanという企業が開発した新しい溶媒を使用し二酸化炭素を回収しています。Carboncleanが開発した溶媒はアミンなどよりもエネルギー消費が少なくて腐食性も低くなっており、また、回収設備が小型で済むため、従来よりも建設費用を抑えることができるそうです。

トゥティコリンの石炭発電所。



トゥティコリンの石炭火力発電所では年間約6万6000トンの二酸化炭素を排出しており、排出した二酸化炭素は重曹を生成するのに使用。この発電施設がすごいのは、二酸化炭素の回収から重曹の生成までを政府の助成金なしで行っていることで、これは世界初の事例になるそうです。

MIT Technology Reviewは、トゥティコリンの石炭火力発電所の成功が環境低負荷型の石炭利用技術を推し進めるクリーン・コール産業にとって希望の星になると称賛。新しく設備を作るのではなく、既存設備を改修するだけで二酸化炭素の回収にかかる費用を抑えられるというメリットは、地球温暖化など環境への影響が不安視される石炭火力発電所にとって追い風になるかもしれません。