4日、韓国・朝鮮日報は、韓国の大学生や就職活動生の間で人気だった医薬品臨床試験の試験台を務めるアルバイト募集に、最近は60代以上の志願者が大勢詰め掛けていると報じた。写真はソウル。

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2017年1月4日、韓国・朝鮮日報は、韓国の大学生や就職活動生の間でクル=蜂蜜のように甘く“おいしい”アルバイト「クル・アルバ」と呼ばれ人気だった医薬品臨床試験の試験台を務めるアルバイト募集に、最近は60代以上の志願者が大勢詰め掛けていると報じた。

ソウル近郊、京畿道に住むチョンさん(仮名・62)は昨年11月、血糖調節補助剤関連の臨床試験対象者に合格したとの知らせを受け、喜びのあまり声を上げた。会社を退職し定期収入のないチョンさんに、久しぶりにまとまった収入の当てができたのだ。友人3人も応募したが不合格となり、チョンさんは友人たちの羨望(せんぼう)の的だという。

昨年、ある大手製薬会社が行った高血圧・高脂血症関連の医薬品臨床試験では、304人の応募者のうち半数以上を60代以上の高齢層が占めた。ソウル市内の病院が行う骨粗しょう症の試験応募者もやはり高齢層が半数を超えている。こうした高齢応募者の中には、応募後に「なんとか合格させてほしい」と電話で懇願する人も少なくないそうだ。

高齢者たちがこうしたアルバイトに精を出すのは、何より収入が少なくないためだ。医薬品の種類などによりさまざまだが、1回の投薬で平均4万〜5万ウォン(約3900〜4900円)、1週間まるまる入院となれば100万ウォン(約9万7700円)を手にすることも可能という。

製薬業界では、高齢化が進む中での高齢試験対象者の増加を肯定的に捉える見方もあるが、試験ではもちろん副作用が出る危険性もある。そのため専門家からは「身体機能が衰えている高齢者は、若者よりも副作用の可能性が大きくなることがある」として試験時の注意を促す声も出ている。

この状況に、韓国のネットユーザーがさまざまな声を寄せた。

「国がとんでもないありさまだ」
「以前は若い人たちが臨床試験に参加しているというニュースを見て胸を痛めたものだけど、今度はお年寄りがお金のために…」
「若い時はとにかく働きに働いて、年老いては体を売ってお金を稼ぐ。悲しい現実」

「食べていくためのいくばくかの金を得ようと人体実験までしなきゃいけないのか」
「韓国には人間に対する礼儀がない。人間を見下す風潮がまん延している」
「韓国人は金に目がくらんだばか者だな。臨床試験といえば何百万から数億ウォンもらえるのが普通なのに、何十万ウォンかで体を売るとは。病院はほとんどタダで実験してるようなものだ」

「これこそ実験用マウスそのものだ」
「どうりで最近、地下鉄にいろんな臨床試験の広告がずいぶん増えたと思った。これもはやりなのかな?」
「お年寄りの皆さん、やっぱり選挙ではよく考えて投票しないと駄目ですよ」(翻訳・編集/吉金)