初共演を果たす福山雅治と役所広司

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 歌手で俳優の福山雅治と日本映画界を代表する名優・役所広司が、是枝裕和監督のタイトル未定の最新作で初共演を果たすことが明らかになった。是枝監督のオリジナル脚本で描く法廷心理劇で、福山は勝利至上主義のエリート弁護士、役所は放火の前科がある殺人犯に扮する。

 第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、日本でも興行収入32億円の大ヒットを記録した「そして父になる」の福山×是枝監督が、2度目のタッグを組む。同作を前後して、「奇跡」「海街diary」「海よりもまだ深く」とホームドラマが続いたこともあり、是枝監督が「違うことにチャレンジしてみようという中で、法廷ものをやってみたい」と構想を練ってきた意欲作だ。

 映画は、エリート弁護士・重盛(福山)の視点を通して描かれる。“負け戦”と覚悟し、30年前にも殺人の前科がある三隅(役所)の弁護を引き受けるが、動機が希薄なため、接見するたびに重盛のなかで確信が揺らいでいく。なぜ殺したのか、本当に三隅が殺したのか……。判決が出て落着するタイプの法廷劇を開発するつもりがなかった是枝監督は、弁護士や検事への徹底的な取材を敢行。さらに弁護士陣の協力を仰ぎ、作品の設定通りに弁護側、検察側、裁判官、犯人、証人に分かれて模擬裁判を実施したそうで、そこで出てきたリアルな反応や行動などを脚本に落とし込んでいるという。

 1月中旬に北海道でクランクインする福山は、弁護士役に初めて挑戦するが「初めてご一緒させていただく役所さんとの読み合わせは、とても緊張感のある時間でした。より深く、さらに研ぎ澄まされた是枝監督の演出に応えられるよう精一杯演じられたらと思っています」と意気軒昂。福山とは企画のキャッチボールを常にしていたという是枝監督は、「『そして父になる』はオファーを頂いて成立したので、今度は僕の側からオファーをしてみようと思った。次に何をやろうかという相談の中で、『是枝さんが一番やりたいものを』と言っていただいた」と明かす。

 一方、是枝組に初参加となる役所は「準備段階での是枝監督の丁寧な映画作りの姿勢に触れ、既に緊張しています。福山さんはじめ、素晴らしいキャストの皆さんとの仕事を楽しみにしています」とコメントを寄せ、撮入の時を待っている。是枝監督は、役所へオファーするに至った経緯について「去年の年賀状に『そろそろですね』って書いてあったの。ああ、そろそろかなあと思って」とほほ笑む。そして、「今まで避けてきたわけではない。でも、やるからには演出家として相当覚悟のいる役者なので、胸を借りるつもりで入って頂いた」と語っている。

 タイトル未定の今作は3月中旬にクランクアップを予定。9月に全国で公開。