3年連続撮影賞を受賞したエマニュエル・ルベツキ (c)Imagecollect

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世間の注目を集めるのは主演男優女優賞や、作品賞などであるが、アカデミー賞では映画の技術スタッフに贈られる賞も多い。全24部門のうち、10部門は映画の製作スタッフへの賞なのである。

■映像で語れ!監督との二人三脚、撮影賞
映画のシーンを盛り上げるのは俳優たちの演技、監督の演出、そしてカメラマンが作り上げる美しい画。優れた映像美を作り上げたカメラマンに贈られるのがこの撮影賞である。2013年から2015年にかけて、撮影賞に輝いているのがエマニュエル・ルベツキ。3年連続の受賞はアカデミー賞初だ。昨年の撮影賞に受賞した『レヴェナント蘇りし者』(16)では一切人工の照明を使わない、自然光のみで撮影に取り組み、まるで本当に森の中にいるような美しくも、恐ろしい映像を作り出した。一昨年の受賞作『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(15)ではまるで全編がワンカットに見え、物語の時間と私たちのリアルな体感時間が混合されるような摩訶不思議な映像に驚かされた。

■作り上げられる映画の音。努力の録音賞
映画に音がついてから約90年。今では映画にとって音は欠かせないものとなっている。昨年のアカデミー賞で6部門を受賞した『マッドマックス怒りのデス・ロード』(15)は録音賞も獲得。この作品の世界観や白熱のカーアクションシーンの撮影は役者自身にカメラを取り付けたり、コマをわざと落とす撮影であったり、まったく録音する環境ではないような現場であった。そのため多くの音声が別に録音された。しかしながら小さな息から爆発音まで幅広く、それでいて繊細な音が作られ映画を盛り上げている。どんな困難な状況化でも音を作り上げる。努力の結晶が録音賞なのである。

アカデミー賞の技術部門は映画の飛躍の賞であるといってもいい。毎年、高度な技術によって見たこともない映画が作り出され公開される。フィルムからデジタルに変わりつつあるこの変動の映画界では、アカデミー賞の技術部門はより重要性を増している。