寝つきのよくない人は、どちらかというと生真面目な性格の人が多いそうです。毎日一生懸命に仕事して、まじめに生きているあなたに、寝つきのよくなる、とっておきの方法を友野なおさんが教えます。

寝る前に「ひとり反省会」を開かない

寝つきのよくない人によくみられるクセのひとつが、寝る前に「ひとり反省会」を開いてしまうことです。今日1日を振り返り、あんなことがあった、こんなことをやった、と。日記を書くなら夜に書く人が多いでしょう。それ自体は悪いことではありません。ただ、生真面目な人は、そこでどうしても反省してしまいます。

反省することは悪いことではありません。ただ、夜は心も体も疲れています。疲労した大脳で考えると、何ごともあまりポジティブな考え方はできないものです。昼間なら「どうってことない」「大丈夫」と思えることも、夜の疲れた大脳ではそうはいきません。ほんのちょっとした失敗についても、なんであんなことしちゃったんだろう? 何がいけなかったんだろう? とモヤモヤし始めます。なんであんな言い方しちゃったんだろう? なんであんなメールを返しちゃったんだろう? ……夜はネガティブになりやすいのです。

するとドツボにはまります。私、なんてダメな人間だろう……、明日も同じ失敗をしたらどうしよう……。今考えてもどうしようもない明日についての思考が頭の中で右往左往しはじめます。どうしようどうしようが、頭の中で堂々めぐりして寝つけない……。

ですから自分の思考のクセを知り、それとの向き合い方を知っておくこと。寝る前にドツボにはまらない自分なりのメソッドを持っておくことが大事になってきます。

寝る前に5分〜10分の瞑想でスッキリする

私自身、寝つけない夜をたくさん過ごしてきましたし、今でもあります。どうにかしたいと、およそ考えつくかぎりの方法を試してきました。その中でも、これは効く! と思うのは、マインドフルネスを取り入れた瞑想です。

最近、企業でも注目されているマインドフルネスとは、簡単にいうと「今この瞬間に集中すること」。現実をあるがままに受け入れることです。その考え方に基づいて、瞑想します。瞑想というとむずかしそうですが、リラックスした状態で座って、目をつぶって、自然に呼吸するだけです。もちろん本格的な瞑想には、もっとしっかりしたメソッドがあるわけですが、ここで大切なのはマインドフルネスのための瞑想であって、瞑想を完璧にすることではありません。

私は寝る前に10分ほど行なっています。これで頭の中がスッキリして、寝床に向かうことができるようになりました。10分なんてあっという間です。初めての方は5分程度から始めるといいと思います。

今この瞬間に集中するというトレーニングは眠りのためだけでなく、ストレス対処法としても優れています。自分の思考のクセを知るうえでも有効です。私はマインドフルネスを始めてから、自分がいかに先のことばかり心配して生きているのかを知りました。まだ起きてもいないことをあれこれ心配して頭の中をいっぱいにしていたのです。いくら考えても、先のことはどうなるかわかりません。不安を払拭するためにいくら段取りを考えたところで、その通りになるわけでもありません。そんな心配をするよりも、今やるべきことを淡々とこなしていく方が合理的ですよね。そう考えると、不要なストレスが減っていきました。

自分の思考のクセを知れば、それとのつきあい方も見えてきます。寝る前につい今日一日を振り返ってしまう方は、ちょっとその習慣を見直してみましょう。

我が輩はあるがまま……マインドフルネス。



■賢人のまとめ
寝る前にネガティブになるような反省会をしない。ネガティブ思考をシャットアウトするメソッドをひとつ身につけましょう。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。