挑戦的な役で新境地を開拓した阿部寛&天海祐希 - 写真:橋本龍二

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 「家政婦のミタ」ほか数多くのインパクトある連続ドラマを手掛けるベテラン脚本家の遊川和彦が映画監督デビューを果たす『恋妻家宮本』(こいさいかみやもと、1月28日公開)。夫婦役で共演した阿部寛と天海祐希が、お互いの存在が俳優を続ける上でいかに大きな支えとなったかを明かした。

 本作は、子供が巣立って二人きりになった夫婦の夫が、妻の隠していた離婚届を見つけてしまうところから物語が動き出すという、笑えてしみじみさせる人間ドラマ。この映画で長年連れ添った夫婦を演じる阿部と天海は20年ほど前にテレビドラマ「橋の雨」(フジテレビ)で初共演。その後も映画『必殺!三味線屋・勇次』や、ドラマ「蒼天の夢 松陰と晋作・新世紀への挑戦」(NHK)に共に出演していたものの、阿部は「ガッツリと一緒にお芝居することはなかったんですよね。それで今回ご一緒できて本当にうれしかったです」と感慨深げ。

 自身はモデルから、天海は宝塚から、映画やテレビドラマに出演する俳優の世界へと進出してきたため、「天海さんが頑張っているんだから、僕も頑張らなきゃ! と思ってきました。同時期に別の枠でそれぞれ連ドラをやっていたこともあったんです。年齢を経てさらに必要とされてきた天海さんと、年を取ってきてから少し主演などをやらせていただくようになった自分と、俳優としての境遇も近いところがあるのかなと。勝手にそんなふうに思っていて、お話をしていても共感することが多いんです」と発言に熱が帯びる。

 対する天海も「阿部さんを見ると初心に帰れます」と続ける。初共演から二十数年の日々を振り返り、「その間にはお互いにいろいろなことがあったでしょうけど、才能のある方がたくさんいるこの世界で、またこうして映画でご一緒させていただけるのがうれしい。阿部さんは連ドラも映画も舞台も、いまや作品の中心にいて皆さんを引っ張っていく立場の役者さんでいらっしゃいます。そんな後ろ姿を見て、そちらの方向に向かって走っていきたいと思う先輩の一人でもあるんです」と俳優としてのリスペクトを捧げる。

 そんな二人が、体は大きいのに人としての器が小さい中年男と平凡な主婦という、それぞれにとって挑戦的な役柄で新境地を切り開く。(取材・文/浅見祥子)