映像や画像の中から人を自動で識別するための「顔認識技術」は、便利である一方で、セキュリティーやプライバシーについて懸念する声があるのも事実です。顔認識技術に対してプライバシーの観点から警鐘を鳴らしているAdam Harvey氏は、顔認識を防ぐ特殊模様を開発し、これを活用した衣服のリリースを予定しています。

HyperFace Camouflage - Adam Harvey

https://ahprojects.com/projects/hyperface/

Anti-surveillance clothing aims to hide wearers from facial recognition | Technology | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2017/jan/04/anti-surveillance-clothing-facial-recognition-hyperface

Harvey氏がデザインスタジオのhyphen labsと共同で2013年に立ち上げた「HyperFace」は、顔認識技術から自衛する方法を研究する目的で設立されました。同プロジェクトにより開発された、顔認識技術をかいくぐる模様をあしらった製品が2017年1月16日のサンダンス映画祭に出展予定です。

これがHyperFaceにより開発された、顔認識技術による判別を防ぐ模様。OpenCVという技術を用いた顔認識は、写真の中で色調が大きく変化する部分や、顔の特徴的なパターンを探して人物の顔を判別するのですが、HyperFaceが開発した模様を顔の近くに設置すると、顔認識技術は模様に反応して、人物の顔を判別しにくくなるとのこと。簡単に言ってしまえば、顔認識技術が「人物の顔」ではなく「模様」の方を優先して認識してしまうということです。



OpenCVは人物の顔を判別するのに「Confidence Score(確度)」というものを採用していますが、HypeFaceの模様には人物の顔に対する「Confidence Score」を低下させる効果があり、これにより顔認識技術は「模様」を優先的に「顔」として認識してしまうそうです。

HyperFaceはこの「模様」を使った衣服を1月16日に発表予定。模様が入ったプロトタイプのスカーフのように、顔の周囲に着用するタイプの衣服が登場するとみられています。



HyperFaceのHarvey氏は、大学生時代から顔認証技術からの自衛方法について研究を進めており、大学生のときには「CV Dazzle」というヘアメイク技術を発表。CV Dazzleは、幾何学模様で艦船を塗装し敵軍を混乱させるダズル迷彩にヒントを得たもので、顔に幾何学模様を非対称になるようにペイントしたり、髪の毛で顔の部位を隠したりするとコンピュータが顔として認識できなくなるというものでした。