再び金髪パーマの龍彦に!綾野剛
 - 写真:高野広美

写真拡大

 映画『新宿スワン』で、逆立つド金髪パーマとクシャっと無垢な笑顔で歌舞伎町を駆け抜けるスカウトマン・白鳥龍彦をイキイキと演じた綾野剛が、そのパートIIに再登板。新たなヒロイン・広瀬アリスを前に、独自の努力論を語り、クールなイメージとは異なる熱い役者魂をのぞかせた。

 広瀬が演じるのは借金苦で夜の街で働き始めるマユミ。マユミは母から教わったぴょんぴょんハネるダンスをすると元気が出るという、ちょっと変わった少女。マユミを演じ、劇中でキュートなダンスを披露した広瀬にそのダンスのような自身のゲン担ぎについて尋ねると「その前日にはよく寝る、とか?」と謎めいた回答が。「大切な日の前には生真面目に生活するくらいです。そのほうが、気持ちの準備がキチンと出来る気がして」と基本的にゲン担ぎはしないと明かす。

 綾野も同様で神頼みとも無縁だと言い、「頼るのは共演させていただくキャストの方たち、実在の人だけです!」と笑わせる。そう言いながら頼れるのは自分だけと確信してもいるようで、「そのことに向けて、ただ努力するだけです」と続ける。ちょうどいまもある作品のために体をつくる必要があり、「3か月ほどお酒を抜いています。たった1シーン、体を見せるためだけに。苦痛だしプライベートも圧倒的に犠牲にされますが、トレーニングを止めたら、“こう見せたい”と思う体は絶対に完成されません。それが不安だから、なんとか頑張れる。手を抜かずに努力することが精神安定剤になる。努力がいちばんの近道なんです」と熱弁する。

 さらにマユミは「信じていれば、空だって飛べると思うの」と瞳を輝かせるような女の子。広瀬は「マユミちゃんってフワフワしたタイプで、よくよく見たら3センチくらい宙に浮いていると思う。私自身は現実的ですけど」と笑う。一方、綾野はその台詞を「発想が豊かで大好き」と評価しつつ「現実的には“努力すれば報われる”と解釈できるかもしれませんが、それは努力が報われた人が言える結果論なのかも。努力しても、絶対に報われるとは言えません。でも成長はしますよね。求めていたものとは違うかもしれないけど、必ず結果は出ます。そうした“結果”を見ていてくれる人がいて初めて、僕ら役者は仕事をいただけるのです。また周りの人に『努力をする方向を少し変えてみたら?』などと言われて、近道に気づくこともありますよね。問題は、努力を結果につなげるセンスを持つ人が周りにいるかどうか。僕自身は、すさまじい恵まれ方をすれば空だって飛べるんじゃないかな? と思っています」と言い切る。そんな先輩の熱い言葉にうなずく広瀬。「努力がいちばんの近道」と断言する姿勢が、演じるキャラクターに生気を吹き込むのだろう。(取材・文:浅見祥子)

『新宿スワンII』は1月21日公開