アーシバルド・シガネールさん  T.ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッド 日本株式運用戦略ポートフォリオ・マネージャー。日本株式市場で16年の運用経験があり、日本語に堪能。

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ダイヤモンド・ザイには、日本株の総力特集「2017年『株』全予測&儲け方」を掲載。今回はその中から、「スゴ腕」としてその名を馳せるファンドマネジャーの投資術を抜粋して紹介しよう。

ダイヤモンド・ザイでは2人のスゴ腕ファンドマネジャーに登場してもらっているが、今回はそのうちの一人「T.ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッド」のアーシバルド・シガネールさんの投資術をピックアップ。プロの視点から、有望株の見極め方を学ぼう!

主流テーマの勝ち組株と事業の変身株で
3〜5年で大幅上昇を狙う!

 私たちが運用する投資信託の特徴は、「成長が継続する銘柄を発掘して、中長期で投資をする」という点です。

 まずは、日本の社会構造を考えながら、どこに成長の可能性があるかを見極めることが大切です。「フィンテック」「少子高齢化」「新興国成長の恩恵」など目新しいものではなく、すでに数年前から注目されているテーマの中で、その分野の勝ち組になる企業を発掘することが重要なのです。

「自動車」や「銀行」などの旧来の大型株を避け、「IT」や「メディア」、「通信サービス」「自動化関連」などを中心に、中小型株にも積極的に投資をします。中長期的に業績が成長するのは、中小型株に多い。企業を徹底的に調査して、今後3年間の業績を予測し、3〜5年間保有するのです。

 なぜなら、1年間の株価の動きは、(その株の人気度を反映する)PER(株価収益率)の動きで大半を説明できますが、3年間で見ると、ほぼ企業の利益水準によって決まるため、PERはあまり重要ではなくなります。

まずは日本の成長分野を見極めることが大切!

 PERの水準よりも、今後の業績が伸びるかどうかを見極めるのが重要。例えば、「キーエンス(6861)」は、製造業などの自動化に関する技術に強みがあります。労働力不足が長期的に継続する中、自動化・省人化技術は、まだまだ成長の余地がある。長期的な成長が期待できるなら、PERが市場平均を大きく上回っていても投資します。

 また、多くの市場関係者が気付いていない変化しつつある企業も、大きな株価上昇が期待できます。

「大王製紙(3880)」は、製紙業大手でオールド企業の代表格のように見えますが、成長企業の「ユニ・チャーム(8113)」のように紙おむつを展開しています。現在、中間層の拡大で紙おむつ需要が高まっているアジアを中心に、海外展開を進めており、変身しつつあるのです。

 さらに日本の株式市場自体も、今大きく変化しつつあります。日本企業は株主へと目を向けてきており、日本の株式市場はグローバルスタンダードへと変化してきています。2016年に初めてROE(株主資本利益率)が欧州を超えたことが、それを証明しています。

>◆組み入れ銘柄トップ5(※2016年9月末時点の組み入れ上位)
最低購入額(12/5時点)事業内容最新の株価
1位 ソフトバンクグループ(東1・9984)
68万200円米スプリントの業績改善や、米半導体大手の買収などで、中長期的な成長へ。
2位 日本電信電話(東1・9432)
45万6500円設備投資の効率化などで、コストを大幅削減。ファナックなどと新事業を展開。
3位 三菱電機(東1・6503)
15万7950円総合電機大手。FA関連などにも強み。欧米での事業好調で上方修正を発表。
4位 JT(東1・2914)
38万1800円海外のたばこ会社などのM&Aをすることで業績を拡大中。株主還元に積極的。
5位 キーエンス(東1・6861)
758万円FA用センサーをはじめ、生産現場の自動化などに役立つ制御機器などを展開。