マツダの2016年は大苦戦でしたが、同年12月には世界市場で売れ筋の「CX-5」がフルモデルチェンジしました。巻き返しを図る2017年、新たなSUV投入やフラグシップカーの新型発表も期待できそうです。

マツダ、巻き返しの年になるか

「デミオ」や「アクセラ」「CX-3」などの新世代商品群が好評のマツダですが、2016年1月から11月までの国内販売台数は19万686台と、前年比18.3%減という厳しい結果でした。2016年の年間国内販売台数は2017年1月末に発表されますが、それを見ずとも「SKYACTIV(マツダのエンジン、シャシーなどに関する要素技術の総称)」をフルに採用した新世代商品群投入後、初の大苦戦の年になったことはいうまでもありません。これには、やはり一昨年の「ロードスター」発売以降、新世代商品群の新型車がなかったことが大きく影響していると考えられます。

 その巻き返しの一手として期待されるのが、2016年末に発表された新型「CX-5」です。

マツダ「CX-5」は、同社年間販売台数の約4分の1を占める(写真出典:マツダ)。

 初代「CX-5」は新世代商品群の第1弾として2012(平成24)年に投入され、グローバルで140万台以上の販売を記録し、マツダの年間販売台数の約4分の1を占めるまでになりました。

 また新型「CX-5」は、大きな成果をもたらした第一世代の新世代商品群で熟成された「SKYACTIV」テクノロジーのすべてをつぎ込んで開発したモデルだけに、マツダの自信と期待もうかがえます。

 これ以外にも2017年のマツダでは、新型SUVの投入が期待されます。噂になっているのが、新提案の3列シートを備えたSUV。すでに海外では、3列シートの7人乗り大型SUVモデルである「CX-9」がありますが、こちらはボディサイズが大きいこともあり、これとは異なるモデルが国内市場へ投入される可能性が高い様子です。さらに中国で発売済みの、クーペライクなスタイルを持つクロスオーバーSUVである「CX-4」の投入もあるかもしれません。

ミニバン市場がSUVを後押し?

 前述のように、2017年のマツダにSUVの強化が見込まれるのは、同社がミニバン市場から撤退する可能性が高いからです。

 マツダの「SKYACTIV」を全面的に採用した新世代商品群の新型車投入がすでに一巡している一方で、ミニバンは、2016年早々に「MPV」の生産が終了。残る「プレマシー」と「ビアンテ」も、しばらく大きな改良が行われないまま生産が続けられており、後続モデルの噂も聞かれません。

マツダ「MPV」。初代は1988年、北米向け専用車として生産開始。国内販売は1990年より(写真出典:マツダ)。

 また2016年2月末に、マツダがミニバン撤退検討というニュースも一部メディアで報道されました。現時点では、そのニュースを肯定する公式発表はありませんが、限られた資源でラインアップを構築するマツダにとって、縮小傾向が見られるミニバン市場は魅力を感じなくとも納得できる、というのも確かです。すでに新世代商品群のラインアップで構築されつつあるSUVに注力したほうがベターな状況であり、世界的にもSUV人気が堅調なことも挙げられます。また国内でも発売前よりトヨタ「C-HR」が大きく話題になるなど、ユーザーのSUVへの関心は年々高まるばかりです。

あのフラグシップカーにフルモデルチェンジの期待も

 そのほか、マツダのフラッグシップカーである「アテンザ」が、今年で現行型の誕生より5年目を迎えます。人気の「CX-5」がたった4年ほどでフルモデルチェンジされたことを考えると、少なくとも年内にコンセプトモデルの発表は期待できそうです。特に今年は「東京モーターショー」も開催されるだけに、その目玉としての登場が期待されます。

マツダ「アテンザ」現行モデルは、改良を繰り返し5年目に(写真出典:マツダ)。

 マツダのクルマは、街中でその新型車を多く見受けられるようになっただけでなく、リセールバリューも良くなったという声も聞かれます。それはマツダ社内の活気にもつながっているようです。

 これまでのマツダは、クルマ好きを中心に熱心なファンに支えられていたものの、一般ユーザー受けする商品が少なく苦しい時代を過ごしてきました。しかし、昨今は「クリーンディーゼル」や「魂動デザイン」などの取り組みが一般ユーザーにも支持され、マツダの評価は大きく高まりました。

 その人気を一時的なものではなく、いかに持続させ、次世代へとつなげていくのか、マツダの取り組みが注目されます。

【写真】マツダ「CX-3」防府第1工場生産1号車

マツダは2016年12月15日より、同社防府第1工場(山口県防府市)にて「CX-3」の生産を開始。宇品(広島市南区)、タイに続き3拠点での生産体制に(写真出典:マツダ)。