“ザ・IT 系ベンチャー”というオフィスの空気から、ガス会社とのコラボレーションを想像するのは難しい

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◆フィンテックに加え、AI関連の銘柄に注目

 いち早く成長企業を見つけることが勝負を決める投資の世界では、世間的には無名でも優良銘柄として名前が頻繁に挙がる企業が多々ある。

「フィンテック関連や通貨革命に加えて、来年はAI(人工知能)に関する企業がさらに勢いを増していくと思います」(フィスコアナリスト・田代昌之氏)というように、革新的な技術を持つ新興企業は常に注目すべき存在だ。

 もちろん、新興企業だけではない。専門性の高い老舗企業も、「テーマ株」として浮上してくるケースもある。

「小池都知事が無電柱化を掲げたことで注目された、電線共同溝を手掛ける『日本鋳鉄管』や、五輪に向けた耐熱道路の需要を見越して注目された『日本道路』などがそれに当てはまります」

 果たして、「優良銘柄」企業の素顔とはどのようなものなのだろうか? 大人の社会科見学にレッツゴー!

◆【メタップス】ニチガスとの提携で脚光を浴びる

「昨年9月には約1100円だったのに3000円まで上昇、10月上旬には2200円と、このところ株価が大きく動いている会社です」

 田代氏がこう話すメタップス。株価上昇の背景は、同社と日本瓦斯(ニチガス)が業務提携したことだ。ただ、田代氏も「投資家は値動きだけに着目し、どのような企業か深くは理解していないのかも」と言うようにその業務内容はピンとこない。

 西新宿の高層ビルの一角にあるオフィスは、外国人スタッフが行き交い、来客対応に現れるのは30歳前後の若い社員ばかり。事実、学生時代に同社を立ち上げたという代表取締役の佐藤航陽氏は現在30歳だとか。そんな若きベンチャー企業がガス販売大手と提携とは一体どういうことなのか。

「弊社はスマホアプリの使用状況分析サービス提供から始まっており、今もデータ分析をもとにした企業の意思決定サポートが主な業務です。その過程で、データ収集が可能なオンライン決済に参入したり、データ分析を生かしたAIの開発なども手がけています」(執行役員の荻原充彦氏)

 IT技術とAIを組み合わせた企業の代表例! ニチガスとの業務提携も、こうした同社の強みを捉えてのものだ。

「来春のガス自由化を控え、ニチガスさんの競合他社との差別化サポートが我々の業務。今までは紙ベースがほとんどだった支払のオンライン化や、AIを活用したチャットポットでのお客様対応などに弊社の技術を活用していきます。また、ガスの価格は為替変動や天候などの外部要因に左右されやすいのですが、先読みが難しいため小売価格に反映させるのは半年後くらいが精一杯でした。今後はデータ分析を活用し、外部要因を先読みした価格設定もできればと考えています」

 ガス料金の支払いといった身近な面にも、新興企業は参入しているのだ。

【メタップス】
目標値:3500円
買い時額:2300円
損切:1400円
PER:――円
PBR:5.52倍
配当利回り:――%

【田代昌之氏】
アナリスト。新光証券、外資系銀行、生保を経て、’10年フィスコに入社。株式市場、個別銘柄を担当

― [世間的には無名だけど株的には優良銘柄企業]のオフィスに行ってみた ―