『オレとテレビと片腕少女』テリー 伊藤 KADOKAWA

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 過激な発言が何かと物議をかもすテレビの顔、テリー伊藤氏が、自身の子供時代からテレビマンとなるまでを初めて明かした自伝的ノンフィクションが『オレとテレビと片腕少女』です。テリー氏といえば最近ではワイドショーなどのご意見番として活躍する姿がお馴染みとなっていますが、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ねるとん紅鯨団」「浅草橋ヤング洋品店」などの伝説的バラエティー番組の企画・総合演出を手掛けてきた敏腕演出家です。

 テリー氏が生まれたのは昭和24年、日本でテレビ放送が始まったのが昭和28年。本書内で「ここまで60年間、テレビと一緒に年齢を重ね、同じ時代に青春を送ってきたという思いはある」というように、本書ではテリー氏の生まれ育った築地をはじめ、東京タワーの建設が進み東京五輪開催を控えて活気づく東京の街を舞台に、テレビがまだ憧れだった時代、「ただテレビを見て喜んでいるだけではなく、テレビの中の世界に入ってみたい」(本文より)と、テレビ画面の向こう側に行くことを夢見た少年の青春模様が描かれます。

 憧れの世界の入り口であるテレビの制作会社で出会ったのは、テリー氏いわく「天才テレビマンだった」という上司。彼から仕事に対する姿勢を学んだテリー氏は、その後はちゃめちゃな企画を次々と生み出すようになります。実はその勇気とアイディアの源となっている人物こそ、本書タイトルにもなっている片腕少女のマリンちゃんなのです。

 「マリンちゃんに出会ってから考えついたのが『下痢止めと下剤を同時に飲んだらどっちが勝つか?』とか、『たこ八郎に東大生の血を輸血したらIQは高くなるか?』とか、『1万匹のヘビがウジャウジャいるプールで稲川淳二さんを泳がせる』というめちゃくちゃな企画だった。
 それは、『いままでだれも見たことがないテレビを作ってやる』というゲリラ魂から生まれた企画だった」(本文より)

 2人の出会いは40年前、マリンちゃんは渋谷のファッションヘルスで働いていたのだそうです。彼女と出会ったことで、テリー氏はテレビマンとして生きていくべき道を見つけます。それは、常におふざけを楽しんでいるように見える"テレビの中の"テリー氏からは想像できない、意外ともいえる理由からでした。

 本書は、そんなテリー氏の人生をもっとも大きく変えてくれたというマリンちゃん(テリー氏によると"天使")、その天使にささげられた1冊なのだそうです。