日本を訪れる中国人旅行客の多くが日本社会の成熟度合いに驚きを示すほか、中国人客によるかつての爆買いブームは日本製品と中国製品のクオリティの差を示す事例だったという見方もある。こうした事例は中国より日本のほうが経済的、社会的に質が高いことを示すものと言えよう。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れる中国人旅行客の多くが日本社会の成熟度合いに驚きを示すほか、中国人客によるかつての爆買いブームは日本製品と中国製品のクオリティの差を示す事例だったという見方もある。こうした事例は中国より日本のほうが経済的、社会的に質が高いことを示すものと言えよう。

 だが、中国メディアの今日頭条は5日付で、近年は多くの日本人が中国で生活したい、あるいは、中国に留学したいと考えるようになっていると紹介し、「なぜ日本人は先進国であるはずの自国で暮らさず、中国で暮らしたいと考えるのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は中国に留学する日本人や、仕事のために駐在する日本人が増加傾向にあることを伝え、現在中国に1年間を超えて長期滞在している日本人は20万人に達していると紹介したうえで、日本人にとって経済成長が続く中国での生活は「幸福感を強く感じられるのではないだろうか」と推測した。

 さらに、この「幸福感」について、中国は日本に比べて各種税率が低く、納めるべき税額が少なくて済む点、中国社会は日本社会に比べて人情味があるという点、潜在成長力の大きな中国には、衰退しつつある日本にはないビジネスチャンスが数多くあるなどの点が関係していると主張した。
 
 また記事は、多くの日本人が中国に留学したいと願う理由について、エリートコースと世襲制に密接な関係がある日本社会において、中国留学はこの世襲制を打破してエリートコースに乗るための手段であると主張。中国に深い理解を持ち、中国語が話せるということは労働市場における競争力となるため、日本人にとって中国の魅力は絶えず大きくなっていると論じた。

 この記事の論法は公平な見方に欠けていると言えるだろう。日本社会の問題点と中国社会の良い点だけを対比しているためだ。中国での生活を好む日本人がいるのは確かだが、これは決して中国社会が日本社会よりも人を幸福にすることを証明するものではなく、日本が先進国であることを否定する根拠ともならない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)