東西経済回廊と南部経済回廊を中心とした物流ネットワークの拡充により経済の一体化が加速しているメコン経済圏。

 タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオスで構成され、その中でも経済発展で先行しているタイ、ベトナムの間に国が位置するカンボジア。カンボジアは、メコン経済圏の中でも後発でありながら、また多くの新興国の景気が安定しない中、近年アジアでも屈指の7%という高い経済成長率を維持している。

 経済成長率が高い一方で、スポーツにおける普及、振興も高まってきており、そのカンボジアスポーツを牽引する存在がサッカーである。サッカーカンボジア代表の試合時、首都プノンペンに位置するオリンピックスタジアムには毎回満員の5万人以上の人々が足を運び声援をおくる。それだけではなくU16の試合時にも、3万人以上の人々が駆けつけるというのだから驚きだ。また、その人気に並走して着実にカンボジアサッカーが国際大会で結果を残し、今後の未来への期待を漂わせている。

 そのカンボジアサッカー、特に2016年の成果、2017年に向けた動きについて各トピックで振り返ってみよう。

◆カンボジアサッカーの歴史を塗り替えつつある現代表チーム

 2015年、FIFAワールドカップ2018ロシア大会に向け、史上初の2次予選進出を果たしたカンボジア代表。

 2次予選では日本代表とも対戦したが、結果は8戦全敗と勝ち点を1も積み上げられなかった。しかし、そこで掴んだチャンスをもとに戦った2016年6月の台湾とのプレーオフ。AFCアジアカップ2019史上初の本選出場に向けた戦いに勝利し、見事AFCアジアカップ2019の3次予選進出を掴んだ。史上初のAFCアジアカップ本選出場に向け残りの12枠(24チームが3次予選に出場し12チームが本選に出場可能)をかけた挑戦が2017年に待ち受けている。

 2016年10月、11月には、AFF SUZUKIカップ2016の予選でラオス、ブルネイ、東ティモールと対戦し3連勝で2008年大会以来4大会ぶりの本選出場をAFF SUZUKIカップ2016で果たした。

 1996年に始まった同大会は、タイガーカップ、スズキカップと名前を変え、今回の2016年で第11回目を迎え、オフィシャルスポンサーとしてEPSON、KONICA MINOLTA、TOSHIBA、YANMAR、Z.com(GMOインターネットグループのグローバルブランド)等の東南アジアでもビジネスを展開する日系企業が大会オフィシャルスポンサーとなっている。

 カンボジアサッカーが着実に力をつけていることを公式の国際大会で証明したサッカーカンボジアフル代表は、実は国の平均年齢が約24歳ということもあり、20歳代前半の選手中心に構成されている。若さと着実な自信、経験を掴みつつあるサッカーカンボジア代表は、2017年マレーシア開催の東南アジア競技大会(SEAゲームズ)においてその実力を証明する準備を着実に整えている。

◆外国人選手と自国選手の活躍が光ったカンボジア国内リーグ

 2016年シーズンのカンボジア1部リーグは、2015年シーズンの12チームから2チームが経営難により撤退を余儀なくされ計10チームで開催された。

 また2016年シーズンはプレーオフ制度の廃止、アジア枠1名を入れた外国人枠5名までが登録可能なレギュレーションで2016年2月から同年9月まで熾烈な首位攻防戦が繰り広げられた。

 日本人選手は2015年シーズンに引き続き15名が各チームでプレーし、外国人枠は計50人のうち日本人15名、北朝鮮人4名、韓国人5名、その他アフリカ人(特にナイジェリア人)で構成され、外国人枠においてアジア人選手(日本人、北朝鮮人、韓国人)の構成比が約50%とカンボジアリーグがアジア人にとって注目され始めているマーケットであることを定量的に示した。