彼氏の実家に帰省。待っていた“謎の女”の正体は…

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「彼氏に『今年は一緒に里帰りしない?』なんて言われてつい舞い上がっちゃったんですよね……。完全に親への紹介=結婚への伏線だと信じて、ついていきました」

 そう言って苦い思い出を語ってくれたのは、後藤結子さん(仮名・31歳・WEBデザイナー)。ちょうど一年前の年末年始、付き合って半年の彼氏・Sさんから、彼の地元への里帰りに誘われました。

 合コンで知り合ったSさんは、広告代理店で働くクリエイター。星野源に似た、インテリ系の眼鏡男子でした。

「イケメンではないけど、センスが良くて仕事もデキる男。マジメで浮気もしなさそう。超惚れてるってわけじゃなかったけど、私の年も年だし、この人で決めちゃいたいなって気持ちがあったんです」

 どうやらSさんも同じ気持ちだったらしく、「一緒に住むならどの辺がいいかな」など、具体的な話を持ち掛けられることが多かったとか。その流れでの里帰りの誘い。結子さんが期待に胸をふくらませるのも頷(うなず)けます。

◆彼の実家で待っていた、謎の女性

「年末、彼の実家のある中国地方のT県へと向かいました。私はルンルン、彼もご機嫌で、その時までは本当に幸せだったんです」

 出迎えてくれたのは、Sさんの両親と祖父母。はじめは大歓迎されました。

 ただ、ひとつ気になったのは食卓を一緒に囲む、一人の家族ではない人物の存在。R子と名乗った彼女は、いかにも田舎の女性といった雰囲気の、ひいき目にいって素朴、端的に言えばダサい、同年代くらいの女性でした。

「初めのうちは妹さんかな? と思ったんですけど、どうも違うっぽい。で、食事が終わると、お母さんが突然おかしなことを言いだしたんです。『さあ、これでいい思い出も出来たでしょう? そろそろ、お帰りになられたら?』って」

 Sさんの両親と祖父母の目は、まったく笑ってなかったそうです。頭が「?」でいっぱいの結子さんはSさんの顔をチラリ。Sさんは顔面蒼白だったといいます。そしてR子さんを見ると、彼女は意地の悪い表情でニヤニヤ。

 いったいどういうことなのか分からぬまま黙っていると、Sさんが急に席を立ち結子さんに「帰ろう」と告げました。

◆カバンの中に入れられていた彼氏の写真には…

「訳もわからないまま、Sさんに荷物をまとめさせられ、家を出ました。玄関の扉を開ける瞬間にR子さんが『ずっと待ってるから……』と静かな声で言ったのがすごく不気味でしたね」
 
 結子さんは、帰りの電車の中で、Sさんに平身低頭で謝られました。R子さんはお母さんの親友の娘。2人は自分たちの子供同士を結婚させるのが夢で、幼い時からR子さんとSさんは許嫁(いいなずけ)として育てられたのだそうです。いまどき許嫁!?

「Sさん自身はぜんぜんR子さんを好きになれなくて、大学進学と同時に東京に出たんだそうです。実はそこから一回も田舎に帰ってなかったみたい」

 Sさんは今回の里帰りを機に、R子さんとの結婚はできないとハッキリ言うつもりだったとのこと。結子さんを連れていけば説得力があるだろうと考えて、一緒に連れていったのだと言われました。

「Sさんは、家族とは縁を切るから結婚してくれって、改めてプロポーズしてくれたんですけど、その場でお別れしちゃいましたね」

 あんなに結婚したがっていたのに、結子さんがアッサリ引き下がったのには訳がありました。帰りの電車の中で、ふと自分の持っていたバックに違和感を感じ、こっそりと確認したところ、とんでもないものが入れられていたのです。

「バックの中に写真が入ってたんですよ。いつのだか知りませんが、Sさんの寝顔の写真。ご丁寧に『Sは私のもの』っていうメッセージ付き。こんな怖い女が憑いてる男とは結婚ムリです!」

<TEXT/もちづき千代子>