(写真提供=SPORTS KOREA)

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卵を3つ使った目玉焼きの写真が、韓国のネット上で話題となっている。その写真には「これくらいすれば“金の匙”かな?」というコメントがつけられている。

金の匙とは、韓国の若者たちが作り出した「スプーン階級論」の表現で、端的に言えば「お金持ち」を意味する。つまり、「こんなに卵を食べられる自分は金持ちだろう?」という冗談だ。

韓国のネット民たちは調子を合わせて、「なぜそんなにお金持ちなの?」「財閥の方ですか」「こっちは2週間も卵を食べていないのに…」などと書き込んでいた。

なぜ目玉焼きが金持ちの象徴に?

それにしても、卵をたくさん使った目玉焼きを食べているだけで、なぜ金持ちになるのだろうか。

韓国では現在、過去最悪の「チョリュドッカム」に悩まされている。

チョリュドッカムを漢字にすると、鳥類毒感。読んで字のごとく、鳥インフルエンザが流行しているのだ。

それにともない、卵の価格が急騰。スーパーで売られている30個入りの卵パックの価格は、1万500ウォン。日本円に置き換えると約1030円だ。

卵1個が34円という計算になる。

複数の韓国メディアによると現在、飲食業界では「卵の大乱」が起きているようで、定食屋や居酒屋では、単品メニューの玉子焼きや目玉焼きが50円から200円など、4倍にもなったという。最も大きな打撃を受けているパン業界をはじめ、鶏肉業者もてんやわんやしているそうだ。

そんな現状を打開しようと、韓国政府は卵の輸入を検討している。しかし、価格が問題だ。

韓国政府が説明会で提供した資料「卵の海外流通と価格現況」によると、輸入可能なアメリカ、スペイン、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの現地の価格は、卵1個当たり約9円〜17円だ。韓国の現状と比べれば、安いことになる。

しかし、そこに輸送費が含まれると話は大きく変わってくるという。

とある流通業界の関係者は「卵の価格が安定するためには、安い卵が大量に輸入されなければならない。しかし、輸入卵の価格が(国産卵よりも)さらに高くなれば、なぜ大変な思いをして輸入するというのか」と、韓国メディアに懸念を表明した。

韓国では近年、食の変化が起きているが、それでも卵は数多くの料理に使われる材料だ。韓国人の“ソウルフード”といえる即席ラーメンも、卵を入れて食することが多い。

鳥インフルエンザ対策、日韓の違い

ちなみに、韓国と同じ鳥インフルエンザは、日本でも発生している。

農林水産省によると、韓国と同じ鳥インフルエンザ(H5N6亜型)が5道県7戸の農場で確認されている(2016年12月27日現在)という。

ただ、日韓には明確な差がある。例えば、これまで殺処分された鶏やアヒルなどの数だ。

韓国は2800万羽を超えるそうで、飼育されている鶏やアヒル全体の6分の1にも上るというのだから驚かざるを得ない。一方の日本は12月初旬の段階で57万羽だという。

そんな日韓の差について、韓国の専門家らはさまざまに分析しているが、要約すれば“人災”とも言える部分もあるわけだ。
(参考記事:1カ月で2800万羽を殺処分…韓国の鳥インフルエンザが“人災”と指摘されるワケ

韓国で猛威をふるい、庶民の生活にも打撃を与えている鳥インフルエンザ。一日も早い原状回復が求められている。

(文=慎 武宏)