【今さら聞けない】巷で言われる「クルマの家電化」ってどういう意味?

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コモディティ化や電動化など文脈によりいくつかの意味を持つ

かなり以前から「クルマの家電化」といった表現はある。その意味合いというのは文脈で変わるが、白モノ家電のようにコモディティ化してしまい値段だけで選ばれる存在になるという意味と、「電」という漢字がイメージさせる電子制御の塊になっているという意味で使われることが多い。

さらに、最近では家庭でプラグイン(外部充電)を行う電動車両についても家電といった表現を使われることがある。これはV2H(電動車両と家屋の電装系をつなげる)を前提としたスマートハウス的なトレンドが生み出した面もあるだろう。

さて「コモディティ化」とは、価格や買いやすさだけを理由に選ばれる状態を指す言葉。機能や品質といった面で商品間の差が小さくなり、「どれを選んでも同じ」といったユーザーマインドを示す経済用語だ。

もちろん、本物の家電においても機能性や省電力性などにより差別化されているカテゴリーや商品群もあるが、おおむね高価格帯に限られた話で、低価格商品についてはコモディティ化が進んでいる。

自動車においても同様に、低価格帯の商品群はコモディティ化が進んでいくことを「家電化」と呼んでいることが多い。ライバル車の見積もりをとって、安いクルマを選ぶといった買い方は、まさにコモディティ化を示す一例だ。

意外にも商用車の世界では商品がしっかり差別化されている

一方で、一般ユーザーからすると、差別化がないように見える商用車の世界においては、むしろ耐久性やランニングコストでシビアに優劣がつけられていることが多い。

さらにブランド性が最優先される高級車の世界もまたコモディティ化とは縁がない世界でもある。

もっとも、実態としては家電でも自動車でも、ブランドで売れる商品群、機能で選ばれる商品群、そしてコモディティな商品群というのは存在しており、コモディティ化を家電化と表現することが適切かどうか、意見が分かれるところだろう。

とはいえ、家電化という言葉が使われるようになったのは随分前のことだ。おそらく最初期の「クルマの家電化」というのは燃料噴射装置がキャブレターからインジェクターになるなどして、故障した際に制御基盤などの入ったコントロールユニットを交換しないと直せない状態を指し示していたという面もあったろう。

診断機をつないで故障箇所を見つけ、アッセンブリーで交換修理するというのは、もはや当たり前になってしまった。その意味では全般的に「クルマの家電化」が進んだといえるのかもしれない……。