アスペルガー症候群(広汎性発達障害)の人との接し方‐言い回しのコツ
4000人に1人の割合と言われているアスペルガー症候群。現在では、もっと割合が高いと言われています。コミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群の人に、伝わりやすい言い回しのコツをご紹介します。
対人関係の不器用さがアスペルガー症候群の特徴
発達障害のなかの、広汎性発達障害のひとつアスペルガー症候群。知能指数は通常程度、あるいは平均以上なのに、コミュニケーションや興味の面で違いが見られます。例えば、他の人の立場を理解するのが苦手で、思ったことを正直に口に出してしまったりするので、学校や社会に溶け込めないということが起こります。また、自分の関心のあることだけに集中して他のことにはほぼ興味を示さないことから、孤立してしまうこともあります。

アスペルガー症候群は男性に多いとされていますが、女性でも診断につながらずに対人関係の悩みを抱えている人々が多くいます。最近では、大人になってから障害に気づく人もいます。
伝え方次第で、コミュニケーションが円滑に
アスペルガー症候群の人は、複雑な人間関係や場の雰囲気を理解するのが苦手です。これは本人が努力をして変わることではないので、決して直そうとせず、こうした特性を理解し、合わせることが接し方の基本です。アスペルガー症候群の人と一緒に過ごす場合は、下記のようなことに気をつけると意図が伝わりやすく、コミュニケーションが取りやすくなります。

◯シンプルに伝える
「なるべく」「昨日と同じように」「適当に」など、曖昧な表現は混乱を招きます。もし何か手伝って欲しいことがあるなら「お皿を2枚、すぐ持ってきてくれる?」など、数を入れて、いつ何をすればよいかを具体的に伝えましょう。

◯否定文を使わない
否定的な言葉を言われたりすると、アスペルガー症候群の人は強い劣等感や自己嫌悪に陥ってしまう場合があります。「◯◯してはいけない」などの表現ではなく、「◯◯した方がいいよ」など、前向きな提案の形で伝えると、すんなり理解でき受け入れてもらいやすくなります。

◯大きな声で言わない
アスペルガー症候群の人は、その場の空気や相手の立場を理解するのが難しいため、非常識な言葉を言ってしまう場合があります。たとえ不快な思いをしても、声を荒げることはせず、シンプルに人と人との間のマナーを教えてあげましょう。大声を出すと、相手は不安に感じるだけで、逆効果です。

◯時にはメモやメールを使う
コミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群の人は、言葉で伝えるだけでは理解できない場合があります。伝えたいことは、話すことに加え、簡潔に要件をまとめたメモを渡したり、メールで伝えたりすると、理解がより深まります。

◯急な予定変更は注意を
臨機応変に動くということが苦手なため、急な予定の変更があると不安を感じ、戸惑ってしまいます。変更はなるべく早く伝えるとともに、全体の見通しや予定をあわせて伝えるようにすることが大切です。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと