闇株新聞

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◆国内メガバンクを筆頭にした“規制業種”は不変の勝ち組

 トランプ氏の勝利によって、株式市場の様相はガラッと変わりました。円安効果で輸出系企業は軒並み高値圏で推移しています。しかし、トランプ氏が保護主義的な政策を取ると予想されているだけに、今後の企業活動に悪影響が出る可能性も捨てきれません。そこで、まったく別の観点から今年の勝ち組企業を予想していきたいと思います。

 日本にはどんな状況下でも、必ず勝ち組で居続ける企業がいくつもあります。その共通点は、規制に守られた寡占企業です。なかでも最大の勝ち組と言えるのはメガバンク。日銀がマイナス金利政策を導入して以降、産業界から貸出金利の引き下げ圧力がかかり、一時は収益が壊滅的に悪化すると騒がれました。ところが、トランプ当選以降はアメリカの長期金利の上昇に伴い、日本の長期金利も上昇。長期的に金利上昇圧力が加わるとの見方から、株価は持ち直してきております。

◆長期金利は上がらずとも貸出金利を引き上げへ

 しかし、実際にはメガバンクというものは、どんな状況下でも何だかんだと理屈をつけて貸出金利を引き上げて利ザヤを稼ぐものです。’16年4〜9月期の5大銀行グループの連結決算を見ても明らか。5グループ合わせた実質業務純益は前年同期比3%減の1兆5438億円で、連結最終純利益は同10%減の1兆3927億円。減益にはなりましたが、マイナス金利下でも着実に高収益を維持しているのです。日銀が抑え込んでいるので、今後、長期金利はそれほど上昇しませんが、メガバンクは遠慮なく貸出金利を引き上げるでしょう。注目は、常に出遅れがちのみずほFGと、たびたび三井住友FGによる買収が囁かれるりそなHDでしょうか。みずほは投資銀行業務に強みがあることから、株価の見直しが進んでもおかしくありません。

 同じく規制業種で、国内たばこ市場を独占しているJTも勝ち組企業です。たばこは超成熟産業ではありますが、超寡占産業でもある。喫煙率は右肩下がりで国内では逆風にさらされながらも、戦略的なM&Aで海外売上比率を伸ばすことで、成長を持続させている点は大いに評価できます。加えて自社株買いを積極的に行っている点は、もう少し株価に反映されておかしくない。同じ理由で、NTTドコモにも注目しています。総務省から“実質0円”販売を禁止され、格安スマホ(MVNO)という新興勢力の台頭もありますが、11月に発表した中間決算は前年同期比26%の営業増益。通期の見通しを上方修正するほど、好調を持続しているのです。

 もう1つ、規制業種の関連銘柄としてサイバーエージェントを挙げておきます。現在の稼ぎ頭はゲーム事業ですが、インターネット広告事業が柱。さらに4月に開局した「AbemaTV」に代表されるメディア事業も展開しています。この「AbemaTV」はテレビ朝日との共同出資会社での運営。現在は赤字を垂れ流していますが、それでも’16年9月期の営業利益は前期比12%増。今期は減益予想ですが、赤字のメディア事業の収益化が進むようならば、大化けもありえます。

◆[闇株新聞]2017年注目銘柄

・みずほフィナンシャルグループ(東1・8411)
株価:202円/PER:8.51倍/PBR:0.62倍/予想配当利回り:3.7%/単元株数:100株
‘16年4〜9月期連結最終利益は前年同期比7%減の3581億円。長期金利の上昇に伴い、貸出金利引き上げが進み収益改善へ

・りそなホールディングス(東1・8308)
株価:550円/PER:7.51倍/PBR:0.68倍/予想配当利回り:3.45%/単元株数:100株
11月には’17年3月期連結利益予想を1600億円から1700億円に引き上げ。マイナス金利の悪影響を与信費用の改善などでカバー

・JT(東1・2914)
株価:3946円/PER:17.07倍/PBR:3.22倍/予想配当利回り:3.24%/単元株数100株
’16年12月期売上高は前期比5.9%減の会社予想だが、営業利益は2.6%増予想。海外売上比率が約70%になることから円安効果も

・NTTドコモ(東1・9437)
株価:2624円/PER:14.99倍/PBR:1.80倍/予想配当利回り:3.05%/単元株数:100株
10月28日に業績見通しを上方修正。“実質0円ケータイ”禁止措置などを受けながらも、本業の通信事業の収入が大きく拡大

・サイバーエージェント(東1・4751)
株価:2781円/PER:34.94倍/PBR:4.53倍/予想配当利回り:0.90%/単元株数:100株
’16年9月期は増収増益。「AbemaTV」への投資で今期は減益予想だが、実は前期も当初は減益予想だっただけに上方修正期待あり

【闇株新聞】
’10年に創刊。大手証券でトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった後、独立。証券マン時代の経験を生かして記事を執筆し、金融関係者などのプロから注目を集めることに。現在、新著を執筆中