By Steven Andrew

ゲームは娯楽のひとつであり、「楽しむ」ためにゲームをプレイしていると考えられがちですが、複数の研究により、人々は「人間の基本的欲求」を満たすためにゲームをプレイしていることが判明しています。

How Video Games Satisfy Basic Human Needs - Facts So Romantic - Nautilus

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グランド・セフト・オートは近年で最も人気を得たゲームのひとつで、ゲーム内でプレイヤーが現実ではありえないような「無法者」になれる無数の方法を提供しています。ゲームの中ではドライバーを引っ張り出して自動車を盗難、歩道を自動車で爆走、10歳の少年から自転車を強奪、断崖絶壁に立ってカモメを射撃するなど、思うがままの行動をとることができますが、現実では法律や道徳の問題からゲームと同じ行動をとることはためらわれるはずです。

もちろんストーリーの通りにゲームを進めたり、ゲーム内でも信号などのルールを守ってプレイしたりすることはプレイヤーの自由です。一方で自由度の高いゲーム性を持つグランド・セフト・オートのプレイ内容や方向性は、ハンティングを趣味にしている人ならゲーム内でも野生動物を追いかけ、マリンスポーツが好きな人はゲーム内のジェットスキーに興味を抱くなど、普段の活動が反映される可能性があります。もし現実で怒りを感じているのなら、ゲーム内でも怒りを発散させる行動をとるかもしれないということです。

このように人は「何のためにゲームをするのか?」ということを追求する哲学者や研究者は多く存在しており、従来の研究結果から「ゲームの目的は『楽しむ』ことだけではない」ということがわかっているとのこと。人工知能研究者でコンピューターゲーム・デザイナーでもあるイギリス人のリチャード・バートル氏は、「プレイする人の性格や興味がゲームのプレイ内容に影響する」と主張しています。

1980年代のMUD型のマルチプレイRPGを研究した1996年の記事によると、バートル氏はプレイヤーを「Killers(殺人者)」「Achievers(目的達成人)」「Explorers(冒険者)」「Socializers(社交好き)」という大きく4つのタイプに分類しています。例えば、Socializersがほかのプレイヤーとの関係性を作るために時間を費やしている間に、Achieversは経験値や通貨、優れた装備といったゲーム内ステータスを得るために動くなど、「ゲームをプレイする目的は人によって異なる」ということが証明されたとのこと。



By will floyd

バートル氏が示した「プレイする人の性格や興味がゲームのプレイ内容に影響する」という傾向は、ゲーム内で選択するキャラクターや職業にも影響があるほか、回復キャラクターを選んだ人は別のゲームでも回復キャラクターを選ぶ傾向があるなど、ゲームタイトルを超えて影響するとのこと。バートル氏は「マルチプレイのゲームをプレイすることは、アイデンティティーの模索なのです。あなたが実生活でお調子者なら、みんなの前でもそうなるように」と話しています。

2012年にも5人の心理学者が「ゲームをプレイする人のタイプ」を調査した研究結果が発表されています。研究チームによると、特に「理想的な自分(より強く、よりきれいに、より名誉のある、より寛大な、などの役割)」を演じることができるゲームほど、プレイヤーに本質的な満足感を与えるだけでなく、感情にも大きな影響が認められたとのこと。「現実世界では、あらゆる行動にある種のプレッシャーがつきまといますが、ゲーム内ではそのようなプレッシャーはありません。それはまさに人々がオンラインRPGをプレイする理由です」とバートル氏。



By B, K & G

なりたい自分にストレスなくなれることが、ゲームをプレイする大きな目的となっていることを多くの研究が示しており、バートル氏は「自己実現はマズローの欲求段階説の頂点にあるもので、多くのゲームがこの欲求を満たしてくれるのです」と説明しています。