By Dr J Clarke

プロ棋士に勝利した「AlphaGo」やジャズを自動作曲する「deepjazz」、人工知能で作成したポップソングなど2016年は人工知能(AI)や機械学習の発展の年となりました。2017年も引き続き人工知能は大躍進していくだろうということで、特にキーとなりそうな5つのポイントをMIT Technology Reviewが挙げています。

5 Big Predictions for Artificial Intelligence in 2017

https://www.technologyreview.com/s/603216/5-big-predictions-for-artificial-intelligence-in-2017/

◆1:強化学習



By Aaron Cannon

2016年にはGoogleが開発したAlphaGoが囲碁のトップ棋士に勝利するという歴史的快挙を成し遂げました。これはAI産業、特に強化学習にとってはひとつの大きな目標となっていたそうです。

その強化学習は、動物がある行動によりもたらされるポジティブもしくはネガティブな結果から物事を学習する点からインスピレーションを受けて考案されたものです。このアプローチを用いることで、コンピューターは試行錯誤しながらポジティブな結果を成功例として「どうやって行動すべきか」を学んでいきます。

MIT Technology Reviewは、2017年には強化学習を自動運転カーやロボット産業で活用していく事例が増えるだろうと予測。実際に、Googleは既に深層強化学習を用いてデータセンターをより効率的に運営していく取り組みを行っています。しかし、強化学習のアプローチは実験的なものであり、まだまだシミュレーションには時間がかかるそうです。

◆2:敵対生成ネットワーク



By Simon Cockell

バルセロナでAIの国際的な学会であるNeural Information Processing Systems(NIPS)が開かれた際、新しい機械学習技術である敵対生成ネットワーク(GAN)が大きな人気を誇っていたそうです。OpenAIでAI研究を行っているイアン・グッドフェロー博士が発明したGANは、トレーニングセットから学習した後に新しいデータを用いて生成される単一のネットワークで、正しいデータと偽のデータを識別しようとするネットワーク。このGANを用いると、とても現実的な合成データを作り出すことができるそうです。

AI研究の第一人者であるヨシュア・ベンジョ氏は、NIPSの中で「GANは『分類していないデータを用いてコンピューターを学習させる』という面では特に刺激的なアプローチ」と語っています。

◆3:中国でのAIブーム



By Alexander Mueller

2017年はAI産業で中国がメジャープレイヤーに進化する年になるかもしれません。中国の技術産業は欧米諸国の技術をコピーする段階からAIや機械学習などを用いたイノベーションを起こしていく段階に変わってきています。中国の検索エンジンBaiduはAIに注力するために研究所を開いており、その結果、音声認識や自然言語処理などさまざまな分野で恩恵を受けています。

Baiduを追いかけ、中国でのUberの運営権をDidiが購入しており、自動運転カーの開発に向けて研究所を建てているという噂もあります。他にも多くの中国人投資家がAI関連のスタートアップに投資しており、「中国でのAI産業のブームを望む人々は多い」とMIT Technology Review。なお、中国のAI産業は2018年までに150億ドル(約1兆7000億円)規模になるという推測もあります。

◆4:言語学習



By Alex Brown

「AI研究者に『次のターゲットは?』と聞けば、多くの人々が『言語学習』と答えるでしょう」とMIT Technology Reviewは述べています。言語学習は音声認識や画像認識などにも活用できる技術で、「AIとの会話」という魅力的なテーマにもつながる技術です。

コンピューターがより言語を正しく理解できるようになれば、機械はより便利になっていくことは間違いありません。しかし、その挑戦はとても難しいものでもあります。よって、より深く意味のある会話をスマートフォン上でAIとできるようになるのはまだ少し先のことになりそうです。

◆5:誇大広告への反動



By Pascal

AIの純粋な進歩とこれを活用した刺激的なアプリケーションが多く登場した2016年ですが、同じようにAIに関する誇大広告も多数登場しました。こういった状況にAI研究者たちは明らかにいらだっているとのこと。現実の問題として、誇大広告のせいでAIを取り入れたものの期待していたような成果が得られず、AI全体に対して「落胆」してしまう人々がいることも挙げられています。