映画「スター・ウォーズ」の生みの親であるジョージ・ルーカス氏は、自身が所有するアート作品を収蔵した博物館「Lucas Museum of Narrative Art」を設立することを明らかにしていますが、2014年の構想発表から3年近くが経過した2017年になっても建設予定地が決定していない状態です。本当にLucas Museum of Narrative Artが建設される日は来るのか、これまでの経緯を見ると一抹の不安がよぎります。

George Lucas Can’t Give His $1.5 Billion Museum Away - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/features/2017-01-03/george-lucas-can-t-give-his-1-5-billion-museum-away

所有するルーカスフィルムをディズニーに売却した後、ルーカス氏は自身が集めたアート作品を展示する博物館の建設を発表しました。建設工事費・寄付金・所蔵するアート作品の価格などを全て合わせると、15億ドル(約1746億円)にも上るのですが、その全てをルーカス氏が負担することになっています。当初の建設予定地はサンフランシスコの北端にある国立公園のプレシディオで進められていました。プレシディオは、2005年にルーカスフィルムの新スタジオがオープンしたこともあり、ルーカス氏にとって博物館を建設するのに絶好のロケーションでした。



しかし、「シドニーのオペラハウスやスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館のような象徴的なデザインにしたい」というルーカス氏と、「公園から見えるゴールデンゲートブリッジの景観は保全したい」という運営元のThe Presidio Trsutとの交渉がうまくいかず、最終的にはサンフランシスコではなくシカゴでの建設が決定しました。ルーカス氏が構想するプランだと国立公園における建設ガイドラインにそぐわなかったり、The Presidio Trsutからの「事前に展示品を見せて欲しい」という依頼をルーカス氏が拒否したり、さまざまな問題があったそうです。

2014年6月24日にルーカス氏はLucas Museum of Narrative Artの建設地がサンフランシスコではなくシカゴになったことを発表しました。シカゴはNFLの球技場「ソルジャー・フィールド」の南にある17エーカー(約6万8800平方メートル)の土地を用意して誘致し、ルーカス氏もこれを承諾。建設地の決定に伴い、ルーカス氏はLucas Museum of Narrative Artのデザインコンペを実施し、建築家の馬岩松(Ma Yansong)氏の案を採用しています。

シカゴで建設予定だった完成予想図。円錐状の建物が独創的です。

Introducing the cutting-edge design concept for the Lucas Museum of Narrative Art. Featuring an observation deck with...Lucas Museum of Narrative Artさんの投稿 2014年11月3日


しかしながら、2016年6月24日にルーカス氏は建設地をシカゴから変更することを発表。シカゴから変更になったのは、シカゴの公園保護団体「Friends of the Parks」が「博物館の建設は公園の開発ガイドラインに違反している」としてルーカス氏を訴えたことが原因です。

再び白紙に戻った建設予定地として、記事作成現在候補に挙がっているのはロサンゼルスとサンフランシスコ。ロサンゼルスは、自然史博物館があるエクスポジション・パークをルーカス氏に提案していて、エリック・ガルセッティ市長は「誘致の準備は整っており、建設も遅れることなく完成させられるだろう」とコメント。サンフランシスコは、市を一望できるトレジャー・アイランドの土地を提案。トレジャー・アイランドは、連邦政府ではなく市の管理下にあるので、プレシディオのときのように建設計画が難航することはないとのこと。経済紙のBloombergは、ルーカスフィルムがあるサンフランシスコの方がロサンゼルスよりも優勢ではないかと予想しています。

2016年10月27日にはロサンゼルスとサンフランシスコにおけるLucas Museum of Narrative Artの完成予想図が公開されました。デザインはシカゴでの予定と変わらず馬岩松氏が手がけることになっています。

ロサンゼルスのLucas Museum of Narrative Artの完成予想図。



サンフランシスコの完成予想図。



建設予定地が次々に変更され、いまだに建設がスタートしていないLucas Museum of Narrative Artですが、完成すれば新しい観光地として注目されることは間違いなし。スター・ウォーズファンとしても、無事に完成されることを祈るばかりです。