水谷徹・サントリービール代表取締役社長

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縮小傾向のビール市場でもシェアを着実に伸ばすサントリー。贈答用としても人気の「プレミアムビール市場」においては「ザ・プレミアム・モルツ」で市場を牽引してきた。いかにチームとヒット商品を作り、ブランドを育てるのか。ホールディングス内でビール事業を手がけるサントリービールの社長、水谷徹氏に経営と組織風土について聞いた。(聞き手/多田洋祐・ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長)

他社の真似はせずに
常識は「自分らしさ」で破っていく

多田 サントリービールの社長に就任されるまでに、ウイスキーやRTD(缶チューハイ)事業なども手掛けられてきました。苦境や困難に立ち向かうシーンも多かったと思いますが、経営戦略において重視してきた点は何でしょうか。

水谷 最も大切にしなければならないのは、サントリーがお客様から「必要だ」と思われることです。そして、他社で売れている商品を真似することはせず、「自分たちらしい」ことから外れずに勝負していくこと。あとは、私もとにかく負けず嫌いですので、努力をしたり考えたりして行動に結びつけてきました。そこも重要だったと思います。

多田 「サントリーらしさ」とは?

水谷 当社には、創業者の鳥井信治郎がことあるごとに口にした「やってみなはれ」の精神が息づいています。

「結果を怖れてやらないこと」、「なさざること」は罪であるとして、失敗を恐れず、新しいことに常にチャレンジすることを善しとする風土があります。象徴的な商品は「ザ・プレミアム・モルツ」です。デフレ経済の最中に高級ビールを売ることは誰も思いつかなかったと思いますが、我々は、お客様の賛同を得られれば、必ずヒット商品になると信じていました。

 この商品を命懸けでやると決め、生まれたばかりの小さなブランドに大胆にマーケティング費用を投じ、営業部隊もつくり、組織も編成して臨みました。これで上手くいかなければ、「ビールはもうやめる」というくらいの覚悟を持ったチャレンジでした。

 今でも新商品に対しては徹底的に議論しますが、新しい発想を大切にしたいので、最終的には「NO」を出さないことが多いです。そのほうが人材も含めてサントリーが成長すると信じているからです。

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