中国国内で大気汚染が深刻化し、目の前が遠く霞むほどのスモッグが出現するようになってからすでに数年が経過した。中国政府は汚染物排出企業に対する厳しい取り締まりを実施しているが、実際のところどれほどの成果が出ているのだろうか。(イメージ写真提供:(C)hecke/123RF)

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 中国国内で大気汚染が深刻化し、目の前が遠く霞むほどのスモッグが出現するようになってからすでに数年が経過した。中国政府は汚染物排出企業に対する厳しい取り締まりを実施しているが、実際のところどれほどの成果が出ているのだろうか。

 中国メディア・参考消息は5日、中国政府・環境部による汚染物排出企業に対する取り締まりがいたちごっこの状態であるとするドイツメディア、ドイチェ・ヴェレの3日付報道を伝えた。

 記事は、新年早々中国では新たなスモッグに見舞われ、72の都市で大気汚染の警戒情報が出されたと紹介。同部は河北省や山東省、河南省など18の大気汚染の深刻な都市で取り締まりを実施し、「責任不履行の行政部門」、「懲りずに再び違反する企業」などの問題を発見するとともに、多くの企業に対して名指しで批判を行ったと伝えた。

 そのうえで、ある環境保護組織の専門家が「なおも懲りずに違反する現象」が起きる理由について、末端行政による取り締まりによるリソース不足、力不足と、多くの企業がなおも『見つかって罰せられなければいい』という古い考え方を持っているという2つの点を挙げたとした。

 また、現在の中国当局による汚染取り締まりについてこの専門家が「厳しいものである」とする一方で、「猫がネズミを追いかけているようなやり方だ」と指摘したことを紹介。今後については、汚染排出許可制度を実施して企業が責任を持って汚染物を排出する仕向けるやり方がより有効であるとの見方を示したと伝えている。

 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉がぴったりと当てはまるような状況では、当局がいくら取り締まりに力を入れたとしても、大気汚染をはじめとする環境汚染を撲滅する事は不可能だろう。実際に汚染物を生み出している生産者の考え方を変えていくことが、美しい空復活への最善の近道なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)hecke/123RF)