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●定番メニューの人気投票を実施するマック
日本マクドナルドが「第1回マクドナルド総選挙」をこのほど公示した。レギュラーメニュー12種類の中から人気1位の商品を決めるキャンペーンなのだが、この選挙には隠された狙いがありそうだ。

○各バーガーが公約を発表

“あなたの推しバーガーを、日本一に”のキャッチコピーを冠する今回のマック総選挙。立候補したのは、「ビッグマック」や「フィレオフィッシュ」といった12種類の定番商品だ。投票方法は、対象商品を実際に購入し、パッケージに記載されたQRコードから1票を投じる「食べて投票」と、Twitterを通じた投票の2種類。「食べて投票」は100ポイント、Twitter投票は1ポイントの換算となり、そこに選挙期間中の各バーガーの売上ポイントを足し合わせて人気ナンバーワンを決める。

顧客に「食べて投票」を促す施策としては、投票時に4,000円分のマックカードが抽選で当たるという仕組みを取り入れたり、スマートフォンで使える推しバーガーの壁紙をプレゼントしたりするのだが、マックのファンであれば、投票に参加したくなるような仕掛けは他にもある。各候補者が掲げる公約だ。

マックのいう公約とは、投票で1位になったバーガーを、期間限定でアップグレードする企画のことだ。例えばビッグマックが1位になった場合は、同商品を価格据え置きで「メガマック」にするキャンペーンを実施する。ちなみにメガマックとは、ビーフパティの枚数が通常の2枚から4枚に増えたビッグマックのことだ。公約の実行期間は2月1日からの1週間。選挙なので当然のことだが、各バーガーが掲げる公約を見て投票先、つまりは購入する商品を決める顧客もいることだろう。

マックファンというよりも、各バーガーのファンの熱量を試すような今回のキャンペーン。投票方法も簡単なので、一定の参加者を集めることは可能かもしれない。ここで気になるのは、2016年は新商品ラッシュだったマックが、2017年は一転してレギュラーメニューにフォーカスしたキャンペーンを打ち出してきたことだ。

●年初を飾るキャンペーン、主役に定番商品を起用した意味
○マックの定番商品が形成する巨大市場

日本マクドナルドのナショナルマーケティング部で上席部長を務める河野辺孝則氏によると、マックでは年間7億個以上の「サンドイッチ類」(バーガー系の商品)を販売している。そのうち7割はレギュラーメニューだ。これはつまり、マックの定番商品が年間約5億個の市場規模を有するということになる。河野辺氏によれば、レギュラーメニューを購入している顧客の多くは、毎回決まった商品を注文しているとのこと。同社の売上を支えるレギュラーメニューに、マックは総選挙で改めて焦点を当てようとしているように見える。

マックへ行くと毎回、当たり前のように決まったメニューを注文していた常連客にしてみれば、今回の総選挙では、公約につられて普段は買わない商品に改めて目を向けるきっかけとなるかもしれない。例えば「マックではビッグマックしか食べない」と決めている常連客に、別の商品も試してみようと考えさせることができれば、今回の総選挙は、顧客の固定化した購買行動に刺激を与えるキャンペーンとしても効果を発揮することになる。

もちろん総選挙は、マックが目指す「顧客に楽しさを届けたい」という考え方に沿ったキャンペーンだ。そこにビジネスにつながる戦略があるとすれば、同社の売上を支える定番商品を改めて世間にアピールし、この巨大市場を活性化することだろう。

2016年には次々に期間限定の新商品を投入し、攻めの姿勢を見せたマック。同社に話を聞くと、新商品ラッシュで時には奇抜な商品を世に問えるのも、レギュラーメニューの高い商品力が背景にあってこそなのだという。年の初めに、定番商品の人気の地固めをするような施策を打ってきたマックは、2017年も多くの新商品を発売するつもりなのではないだろうか。

(藤田真吾)