<トルコで難民となった多くのシリアの子供たちが、家族の生活を支えるために、低賃金の重労働を強いられている>

 シリアで内戦が勃発して5年。人口2200万だったこの国から、戦火を逃れた490万人がヨーロッパや周辺諸国に脱出し、660万人が国内避難民となった。ヨーロッパが事実上門戸を閉ざした今、多くのシリア難民が、特にトルコ国内で、非人道的な環境下で生活している。

 ユニセフ(国連児童基金)によれば、トルコで難民登録されたシリア人270万人のうち半数以上が子供だ。彼らの80%は学校にも通っていない。

 教育を受ける機会もなく、トルコ政府から経済支援も受けられない子供たちには、働く選択肢しか残されていない。家族の生活を支えるために、多くの子供たちが低賃金の重労働に就いている。戦場を脱しても、彼らの苦境は終わることがない。

【参考記事】「アレッポの惨劇」を招いた欧米の重い罪

 トルコ人の経営者らに話を聞くと、大人よりも子供の難民を雇うことに乗り気な様子がうかがえる。子供たちのほうがまじめできちょうめんで効率的で、その上安く使えるからだという。

 わずかな賃金で、時には1日12時間、何カ月も休みなく、という過酷な労働を課せられる子供たち。彼らは疲れ果て、友達と共にシリアの学校に戻れる日々を夢見ることしかできない。

 教育も未来も奪われた彼らは内戦のもう1つの犠牲者だ。

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ムハメッド・キブレウェ(16)
溶接工場での過酷な労働で、月に180ユーロを稼いでいる。シリア第2の都市アレッポの家を追われ、2年前にトルコに逃れてきた。今はシリアと国境を接する南部ハタイ県の町で生活している


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アーメド(12)
真っ黒に汚れた手を見せるアーメドは、トルコ南部ガズィアンテプの自動車修理工場で1日に6〜10時間働く。アレッポで暮らしていたが空爆で両親を、樽爆弾で2人の姉妹を失い、15歳の姉と共にトルコに逃れてきた。織物工場で働く姉は別の町で暮らす。シリアで1年だけ学校に通ったが、内戦の激化で閉鎖された。それ以来、学校に通ったことはない


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マームド(13)
ナス畑で1日に12時間働いて、日給は7ユーロ。コバニから4年前にトルコ南部のアダナに逃れてきた。9歳のときからずっとこの農場で働いている

Photographs by EMIN OZMEN