By Heather Anne Campbell

日本では当たり前として考えられている「8時間労働」ですが、スウェーデンでは「6時間労働」の取り組みを進める企業や公的機関が登場しています。労働時間を6時間に短縮することで生産性が向上し、授業員のストレス軽減にもつながることがわかった一方で、コスト面での問題により6時間労働を断念した事例が出てきました。

Swedish Six-Hour Workday Runs Into Trouble: It’s Too Costly - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-01-03/swedish-six-hour-workday-trial-runs-into-trouble-too-expensive

スウェーデンのヨーテボリにある老人ホームでは、2年前から看護師の給料はそのままにして労働時間を8時間から6時間に短縮させるという実験的な取り組みが行われています。労働時間を短縮したことで、看護師が以前より健康的だと感じたり、患者に対する介護の質が向上したりなどポジティブな側面が見られたそうです。



By sima dimitric

しかしながら、ヨーテボリ市は6時間労働を他の施設で採用しない方針を固めています。その大きな理由がコストの増加です。

ヨーテボリの老人ホームで6時間労働を導入した結果、新たに17人のスタッフを追加で採用し、130万ドル(約1億5000万円)が費やされました。ヨーテボリ市は「6時間労働を導入するには今より多くの予算が必要であり、政府からの援助が必要になる可能性もある」と話しています。

ヨーテボリの取り組みは、6時間労働のロールモデルになる可能性があるとしてスウェーデン国外からも注目を集めていたのですが、6時間労働導入の問題点が浮き彫りになったという結果になりました。

ただし、6時間労働のコスト面での課題を克服した企業もあります。ヨーテボリにあるトヨタの事業所は2002年に6時間労働を採用し、2017年現在でも継続中。1日2シフトの交代勤務制にし、従業員の給料は8時間労働のころからそのままにして休憩時間を減らすことでコスト面での問題を克服。作業効率がアップするだけでなく、収益も導入前から25%増になりました。



By Toyota UK

また、日本でも6時間労働を採用する企業が出てきています。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは、2012年5月から昼休みをとらずに9時から15時まで働く6時間労働制を採用。労働短縮による給料の減額はせずに、労働生産性の向上に成功しています。

ヨーテボリの老人ホームの取り組みはコスト面の問題によりポジティブな結果になりませんでしたが、コスト面の問題を乗り越えて導入している企業があるのも事実。電通の過重労働問題など「働き方」に対する世間の関心が高まる中で、6時間労働が労働環境を改善する施策の1つになり得るのか、今後の展開に注目が集まります。